高校中退者、就労率は56.2%・7割以上はフリーター
2011/03/31 07:03
内閣府は2011年3月29日、高校中退者の意識に関する調査結果を発表した。それによると高校中退者の半数以上が現在就業中だが、うち3/4強がフリーター・パートの雇用形態にあることが分かった。正社員は2割足らずでしか無く、中退者の多くが経済的に不安定な状態に置かれているのが確認できる(【発表ページ】)。
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今調査は高校中退後概ね2年以内の人を対象に、高校経由(宮城県・熊本県・広島市の教育委員会からは協力得られず)で中退者2651名に対し調査票を郵送したもの。結果、1176名分返送を受け、その返送分を基に集計されている。男女比は47.1対52.2(他に無回答0.7)、2010年4月時点の年齢は17歳39.5%・16歳28.9%・18歳21.3%など。
高校中退者が現在している事、つまり現在の社会的立ち位置について聞いたところ、56.2%の人は「働いている」と答えた。一方、何らかの形で在学中な人は30.8%。他に「仕事を探している」13.6%が目立つところか。
↑ 高校中退者が現在していること(複数回答)
「仕事を探している」人は、「在学中」などの項目も回答している可能性はあるが、それでも1割強の人が「仕事をしたいにも関わらず見つからない状態」にあるという、厳しい状態に置かれていることが分かる。
仕事面での厳しさが分かるのは、次の「現在働いている人」の内訳。7割以上が「フリーター・パートなど」であるのが確認できる。
↑ 高校中退者が現在していること(複数回答)(現在働いている人の内訳)
正社員はわずか17.1%。今件調査母体はほとんどが高校中退の若年層なことを考えると、【高校生の就職内定率、2010年12月末時点で77.9%・昨年よりは改善傾向】や【大卒正社員率は82.7%…学歴や年齢別の若者労働者の正社員・非正社員割合】で触れている高卒・中卒者よりもはるかに厳しい立ち位置にあることが分かる。
一方、現在在学中の人の内訳は次の通り。通信制高校が約半数、1/3が全日制・定時制高校。中にはいわゆる「大検」を受け、大学に通う者も1割程度確認できる。
↑ 高校中退者が現在していること(複数回答)(在学中の内訳)
高校中退理由は多種多様で、また本人や所属世帯の事情もあり、一概にその実情を判断することはかなわない。しかし今項目を見る限り、全般的に高校中退者の多くは経済的に厳しい状態に見える。まずは高校受験の際に、入学してから「辞めることを考えてしまう」ような学校を選ばないよう、受験校はよく考えてほしいものだ。
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