【更新】人工衛星と統計データから再確認する、震災における東北地方の停電状況

2011/03/29 19:30

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停電ナショナルジオグラフィックは2011年3月28日、アメリカ空軍の極軌道軍事気象衛星【DMSP(Defense Meteorological Satellite Program)】のデータを元に、東日本大地震(東北地方太平洋沖地震)発生直後の日本の停電状況を示すデータを公開した。被災地域に該当する東北地方において、大規模な停電が発生しているのが分かる。これは先に【アトラクターズ・ラボ、被災地域の人口や世帯など住居関係データの分析結果を公開】で取り上げた、アトラクターズ・ラボ社が公開している、同年3月12時午後5時現在の停電状況データからの推測「東北地域のほぼ全域が停電状態」を裏付けるものといえる(【ナショナルジオグラフィック】【JAPAN EARTHQUAKE & TSUNAMI MARCH 2011(NOAA)】、[アトラクターズ・ラボ該当資料])。



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今件地震の観測データについてはナショナルジオグラフィックのデータセンターであるNOAAでも特設ページ【JAPAN EARTHQUAKE & TSUNAMI MARCH 2011(NOAA)】を開設しており、2011年3月9日から16日までの間、1日区切りで日本の通電・停電状況を伝えている(3月14日と15日は雲が多く撮影データは無し)。

地震前夜の3月10日、そして当日の夜にあたる3月11日の18時43分(UTC+9時間=JST)時点などの通電状況が次の写真となる。

↑ 2011年3月10日18時55分(日本時間)
↑ 2011年3月10日18時55分(日本時間)

↑ 2011年3月11日18時43分(日本時間)
↑ 2011年3月11日18時43分(日本時間)

↑ 2011年3月12日18時30分(日本時間)
↑ 2011年3月12日18時30分(日本時間)

色の説明をすると、「黄色=通電(明かりが照らされている)」「青色=雲」「マゼンダ=通電地域が雲で隠れている」「赤色=停電(2010年3月11日には通電していて、今件データで消えている場所)」「緑色=新規通電(赤色の逆)」。元資料の説明にもあるが、関東北部・茨城県あたりから東北地域全般に至るまで赤色の帯が伸びているのが確認できる。

これは先にアトラクターズ・ラボが調査提示した3月12日時点の停電比率をお互いに裏付ける資料として興味深い。

↑ 2011年3月12日午後5時時点の停電比率
↑ 2011年3月12日午後5時時点の停電比率

世帯数は【国勢調査の最新データ速報値】を当方で差し替えたので、停電比率がやや異なっているが、東北地方全体、特に太平洋岸側が停電状態だったことが改めて認識できる。また、よく見ると3月11日よりも12日の方が、太平洋側では赤の面積が広い。これは津波や地震そのものの被害により、11日の時点では通電地域だった場所にも電気が行きわたらなくなったことを示唆している。

NOAAにて公開されているデータは3月16日分のまで。しかも16日のは雲が相当量覆いかぶさっており、実質的には13日までのものしか確認できない。現代社会において電気は必要不可欠なインフラであることを考えるに、早急に東北地方にも「黄色」を取り戻させることを推し進めねばならないだろう。



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