介護の際に自治体のサービスを利用した人は3割強・保険制度活用も3割近く
2011/03/30 12:00
マイボイスコムは2011年2月25日、介護に関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうち介護経験がある人において、「市区町村の介護サービスを利用した」人は3割強に達していることが分かった。「介護保険制度の利用・手続き」をした人も3割近くに登っている。また、リフォームや住み替え、引っ越し、建て替えなど、住宅に手を加えた人も多数確認できる(【発表リリース】)。
スポンサードリンク
今調査は2011年2月1日から5日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1万3290人。男女比は48対52、年齢階層比は10代1%・20代11%・30代29%・40代32%・50歳以上27%。
高齢化社会を迎えるにつれて、今後確実に増加するであろう介護周りの問題。【アマゾンが 介護ストアを オープンし 6000品目 ずらりと展開】などさまざまな介護向けアイテムの展開も行われるようになる一方で、【6割が自覚する介護者ストレス】のように介護をする側における社会的な問題もクローズアップされつつある。
今件調査母体では、「現在介護をする対象が家族に居る」あるいは「いた経験がある」人は3割強に達している。
↑ 自分の家族で介護が必要な人がいるか・いた経験があるか(別居含む、複数回答可)(再録)
また、「要介護者が家族に居る・居た」ではなく、「自分自身が家族などの介護をしている・した経験がある」人は全体のうち18.1%(グラフ略)。この介護経験者(現在進行形含む)に、介護にあたって行ったことを、選択肢のうち該当するものすべてを答えてもらった結果が次のグラフ。「市町村区の介護サービス利用」がもっとも多く32.2%、それとほぼ同じ値の29.8%で「介護保険制度の利用・手続き」が上位についている。公的機関のサポートを受ける人(=知っている人、制度対象者)がそれなりに居ることになる。
↑ 介護をするにあたって行ったことは(介護経験者限定、複数回答可)
介護サービスや保険制度が無かったり存在しても対象外(実情的に、場所的になど)だった場合は、利用できないのは当然の話。しかしそれぞれの回答率が3割前後しかいないところを見ると、存在そのものを知らないのか、存在を知っていても具体的な内容・手続きの仕方が分からない・する余裕が無いなどの理由により、手がつけられない人が多分にいるものと思われる。行政機関や関係団体においては、これらの人たちへのサポート(サポートを受けさせるためのサポート。やや禅問答的なところがあるが)も求められよう。
また冒頭でも触れているが、介護にあたり要介護者のいる住宅に手を加えるなど、居住環境に変化を生じさせている事例も少なからぬ確認できる。これは【バリアフリー、普及率は約半分。アパート・マンション少々低めか】などでも説明している「バリアフリー」と概念を共有するもの。今後この方面のニーズはますます増えてくるに違いない。
他方気になるのが「特にない」の回答率。4割近い介護経験者が、公的サービスの類も環境整備もしていない。要介護者の状況程度にもよるが、受けられるべき恩恵を知らなかったり、何か状況の改善をしたくても出来ない人が多分に存在するのではないか。意味的には繰り返しになるが、今後はこの「特にない」回答者を減らすのも、介護問題の施策として検討されねばならないといえる。
スポンサードリンク