【更新】駅前放置自転車を減らしたい・大阪市がとった方法とは

2011/03/12 12:00

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絵のシート先日姉妹サイトで【触れたように】、現在大阪府大阪市では興味深い放置自転車対策を行っている。違法駐輪を止めてほしい主旨で児童が描いた絵をシートにし、それを路面に貼ったところ、放置が激減する効果が得られたというのだ。



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[大本の記事(読売新聞)]によれば、今対策は建設局の違法駐輪対策担当・瀧石浩二氏によるもの。児童が壁画を描くことで堤防の落書き被害が減った事例を基にしたという。【大阪市の自転車施策のお知らせ】で確認すると、【2010年7月16日】に路面シートのデザインが募集されている。そこには主旨として、

この取り組みは、駐輪場の整備や放置自転車の撤去強化など、これまでの取り組みに加えて、子ども達の絵画作品を路面シートとして活用することで、路面シートの上に自転車等が置かれない効果を期待したものです。

今回は、試験的導入として、港区内のJR弁天町駅周辺及び地下鉄朝潮橋駅周辺の歩道に貼付しますが、この取り組みによる自転車放置の抑制効果を検証したうえで、今後貼付するエリアの拡大を検討してまいります。

↑ 募集要項に記載された、具体的な設置方法
↑ 募集要項に記載された、具体的な設置方法

と説明がされている。

その後同年11月5日には選考作品と貼り付け位置が決定、特殊なシートに絵を加工し、よく駐輪されている路面に設置された。

↑ 選考され、実際に貼られた絵(一例)
↑ 選考され、実際に貼られた絵(一例)

成果の程は公式リリースには無いものの、元記事の説明によれば「9割近く減ったところも」「貼る前は70台前後、貼った後は20-30台」とかなりの効果が確認できたという。また、新年度(2011年4月-)は、対象地域をより広範囲に広げるとのこと。

単純に「駐輪禁止」などのメッセージやイラストで伝えるより、子供によるイラストでの告知の方が、「相手の顔や意思がイメージされやすい」効果があるのだろう。また、駅前ということもあり、実際に自転車を放置する人のうち、少なからずを構成している主婦層にとっては、自らの子供と重なるものもあるのかもしれない。

似たような切り口は、例えば駅構内におけるゴミの放置や危険な駆け込み乗車に対して注意を促すポスターを、地域の小学校に描いてもらい、構内に貼るという催しを何度か見かけたことがある。プロが創った作品とはまた別の、素直でダイレクトに訴えかけるものがあり、確かに効果はあるのだろう。

なお「そもそも論として(無料)自転車置き場が足りないのでは」という意見もあるが、それについて大阪市では【Q&A】の中で

昭和63年に条例が制定される以前は大阪市の自転車駐車場は全て無料で運営していましたが、「入り口付近に自転車が集中し奥が空いていてもつかえない」、「乱雑に置かれているので自転車を出すのも時間がかかる」などの意見が多く出るような場内の状態になり、特にお年寄りや女性にとっては非常に使いにくいものでした。そこで、乱雑に置かれた自転車を整理整頓し誰もが使いやすい状態にするための経費として、整理手数料を徴収することを条例で定めました。

また、有料化することで近距離の自転車利用を抑制でき、駅に集中する台数そのものも削減できるとも考えています。

と説明している。無料自転車置き場があっても、その中でより面倒が無いように入口に集中する状況を見ると、「少しでも楽にしたい」という気持ちがストレートに現れている状況が推測できる。

「子供の絵による警告」が持続的な効果があるのか否かについては、今後の継続調査の結果を待つしかない。しかし同じ絵が100か所すべてに貼られているわけではなく、1枚1枚別の絵であることを考えると、絵に対する「慣れ」による効果の希薄化はあまり無いと見てよい。

今件は実証実験的な意味合いもあり、非常に興味深い施策といえる。今後の動向に耳を傾けたいところだ。



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