「子供は何人欲しいかな?」…未婚男女が正社員以上に子供を求める職種とは?

2011/03/08 12:00

2011年2月21日に掲載した記事 【独身者の結婚意思の変化】から連なる形で、【厚生労働省の出生動向基本調査】での独身者(未婚者)を対象とした各種調査項目の値を基に、結婚に関する考え方や、少子化との関連性についてグラフ化と、それを基にした状況精査を続けている。今回は調査レポート中から、「就業状況別の、未婚者が望む子供の数など」についてチェックを入れることにした。




用いる資料の詳細は先行する記事「独身者の結婚意思の変化」で解説しているので、そちらを参照のこと。

出生動向基本調査の「夫婦に対する調査結果」では、直近の調査結果で夫婦が考える理想の子供数は2.48人、予定数は2.11人という結果が出ている。


↑ 調査別・結婚持続期間別・平均「理想」子供数(再録)

↑ 調査別・結婚持続期間別・平均「予定」子供数(再録)
一方(グラフは略するが)未婚者のうち婚姻希望者においては、平均で男性は2.07人・女性は2.10人が「結婚したら持ちたい子供の数」という結果が出ている。結婚した夫婦と比べてさらに少なめなわけだ。

しかしその値も、個々の就業状態によって少なからぬ違いが見えてくる。次のグラフは現在の就業状態を4つに区分し、その区分毎に見た「(いずれ結婚するつもりと答えた人における)希望子供数の推移」。


↑ 就業状況別・未婚者の平均希望子供数推移(男性)(「いずれ結婚するつもり」と回答した18-34歳未婚者)

↑ 就業状況別・未婚者の平均希望子供数推移(女性)(「いずれ結婚するつもり」と回答した18-34歳未婚者)
まず全体的に減少傾向にあることが目に留まる。これは男女とも変わらない。そして男性はほぼ一様にして「自営・家族従業・内職」の人が多く子供を欲する傾向がある。家族総出で仕事を行う事を想定して、あるいは幼いころからそのような姿を見て・経験したことが、子供を持つことの価値や意義(単なる人手云々以上に、親子の一体感や時間の共有に対する喜び)を強く感じての結果だろう。

また、意外に想う人もいるだろうが、「正規職員」「パート・アルバイト」「無職・家事」ではほとんど差異が無い。ほんのわずかに「正規職員」が多い程度。現職の安定度と欲する子供の数には、あまり大きな関係は無いということか。

一方女性はといえば、男性ほど綺麗にまとまってはおらず、多少ばらつきが見られる。そして「正規職員」の安定感や「自営・家族従業・内職」の変動の大きさが目に留まる。直近では一番希望数が多いのは「自営・家族従業・内職」だが、全期の平均ではむしろ「正規職員」の方が上(正規職員は2.16、自営-は2.13)。実家での実業に対する、男女の考え方の違いが現れていると考えるのが妥当だ。

そして全般的に男女とも「パート・アルバイト」「無職・家事」が低めの値には違いが無い。生活上の安定感不足が、子供の希望数にも微妙な影響(経済上の負担を考慮した上で)を与えているのだろう。

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未婚男女が希望する子供の数に影響を与える要因として、元資料では他に「本人の兄弟姉妹数」を挙げている。興味深い結果が出ているので、こちらもざっとながら紹介しておこう。


↑ 本人の兄弟姉妹数別に見た、未婚者の平均希望子供数推移(「いずれ結婚するつもり」と回答した18-34歳未婚者)(男性)

↑ 本人の兄弟姉妹数別に見た、未婚者の平均希望子供数推移(「いずれ結婚するつもり」と回答した18-34歳未婚者)(女性)
近年になると希望数が減少する傾向を見せていることや、男性と比べて女性はばらつきが大きいことは本文の「職種別」と変わりが無い。また、全般的に自分の兄弟姉妹数が多いほど、多くの子供を希望する動きが確認できる。しかもこれについては近年になるとその差が顕著になっているのが分かる。

やはり生まれ育った環境は、本人の様々な人生観にも大きく影響を及ぼすという事なのだろう。

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