世界の食料価格は8か月連続で上昇・1990年来最高値
2011/03/04 07:17
国連食糧農業機関(FAO)は2011年3月3日、世界食糧価格指数(FAO Food Price Index)が前月比で2.2%上昇し、「236」を記録、統計を開始した1990年来において、同年1月分に続き最高値を更新したと発表した。砂糖をのぞき8か月連続の上昇となる(【発表リリース、英語】)。
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↑ 食料価格指数推移(FAO)
FAOでは世界の食料価格の月ごとの変化を定期的に監視・統計した上で食料価格指数として発表している。この指数は2002年-2004年の平均値をベースに100として定め、その動向を推し量ろうとするもの。今回発表された2011年2月分指数では、全体値FPIは236ポイントとなり、計測を始めた1990年以来の最高値を記録。各種指数では砂糖が唯一前月比マイナス2.0ポイントをつけているが、これはグラフからも分かるように昨今の急上昇の反動というレベルのもの。
FAOはレポートの中で、去年から今年にかけて穀物の需給関係が悪化しており、特に小麦や雑穀類の在庫急減が見込まれるとしている。さらに昨今の原油価格の高騰が食料市場の不安定な状況を後押しする形となると説明。その上2010年-2011年の穀物需要予想において、アメリカのバイオエタノール産業におけるトウモロコシの需要拡大と、中国の統計値の調整に伴う予想の変更の結果、1800万トンの上方修正が行われており、これが需給バランスの不安定要因として追加されている。
今後もしばらくは原油価格の高騰という追加要素もあり、食料価格の上昇は続きそうな雰囲気を見せている。昨今の地中海北東沿岸諸国の騒乱も、遠因の一つには食料価格の上昇にあり、これについても今後も情勢の改善はあまり期待できなさそうだ。
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