ケータイレシピサイトに求めるものは? 料理のシンプルさ、食材検索、それよりも…
2011/03/01 07:10
ネットエイジアは2011年2月25日、携帯電話向けのレシピ検索サイトに関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、携帯電話向けのレシピ検索サイトを利用するとしたら(あるいは利用する際)、そのサイトの利用が無料なことを重視すると答えた人がもっとも多いことが分かった。8割近くの人が「無料が望ましい」としている。レシピの数や簡単に調理できる料理であること、レシピそのものの分かりやすさより、まずはお金がかからないサービスを多くの人が望んでいることになる(【発表リリース】)。
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今調査は2011年1月18日から21日にかけて携帯電話を用いたインターネット経由で行われたもので、18-49歳の男女・週に1回以上自分で料理をする人を対象にしている。有効回答数は1070人。男女比は211対859、年齢階層比は18-29歳が256人・30-34歳が145人・35-39歳が202人・40-44歳が267人・45-49歳が200人。未既婚別は未婚者483人・既婚者587人。
情報の蓄積や共有化、検索機能などインターネットの長所が活かせるサービスの一つとして、レシピサイトは重宝がられ、多種多様なものが登場している。中には【レシピなサイトが株式上場! クックパッドがマザーズに7月17日上場へ】で紹介したようにその成長から上場を果たす企業も出てくるほど。最近では【「年内にクックパッド抜く」--楽天レシピ、ポイント連動で攻勢】で報じられているように、ソーシャル性やネット通販と連動させて多次元的なサービスを提供する動きもある。
それでは利用者側は、半ば乱立状態にあるレシピサイト、中でも主婦向けの思惑が強い携帯電話向けのレシピ検索サイトにおいて、それを利用する場合、あるいはすでに使っている場合は利用する際、どのような点を重視するだろうか。複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。トップは「無料」。何はともあれまずは無料で使えなければダメとする人が8割近くに達している。
↑ 携帯電話向け「レシピ検索サイト」を利用する際・利用するとしたら、どのような点を重視するか(複数回答)
インターネット周りのサービスにおいては、利用者が「お金を払ってでも使いたい」と思わせるもので無ければ有料化は難しい。サービスの立ち上げやランニングコストにどれだけ多くの経費がかかっても、利用者が「対価を支払う価値は無い」と判断したら、そこでビジネスモデルは立ち行かなくなる。今データを見る限り、携帯電話によるレシピサイトの類は、よほどの工夫や特色のない限り、有料課金化は難しいように見える。
第2位は「簡単な料理」、第3位は「食材から検索」、第4位は「レシピが分かりやすい」。ここまでが過半数超えの回答となる。「無料」のハードルを越えれば、あとは「シンプルで食材検索が出来て分かりやすいレシピ」の点で充実できれば、多くの利用者のニーズに応えるレシピサイトが創れることになる。
もっともこれを年齢階層別に見ると、対象年齢によって優先順位を前後した方がよりよいものが出来ることが分かる。
↑ 携帯電話向け「レシピ検索サイト」を利用する際・利用するとしたら、どのような点を重視するか(複数回答)(年齢階層別)
「無料」を望む声は世代を越えた共通認識として存在する。一方で、
・レシピが多く、分かりやすく、そして感想が掲載されているなど「多人数が参加しているソーシャル性」の点で若年層は強い要望を持つ
・歳を経るほどシンプルな料理を求める傾向が強くなる
などの動きが確認できる。意外なのは複数の携帯レシピサイトで特徴の一つに挙げている「創った人の感想掲載」へのニーズがさほど高くないこと。確かに若年層の方が要望は強いものの、それでも3割に届かない。
調理のニーズは絶えることが無く、そして冒頭でも触れているようにレシピサイトはインターネットのメリットを存分に活かせるジャンルでもある。大きな画面で表示でき、手元に置きながら調理が可能なスマートフォン・タブレット機などの浸透と共に、ますます需要は高まるに違いない。それと共に既存の技術・サービスや新しい発想と組合せた、多角的で便利なレシピサイトが登場することだろう。
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