即時・確実に荷物を運ぶのが体感できる配送業者の広告
2011/02/25 19:30
先日【「ライバルよりいつも先に」がひと目で分かる広告】でFedEXによるDHL(のようなトラック)を比較対象にしたプロモーションの話を紹介したところ、【DHLもUPSも無かったですヨ】で解説しているようにDHL側の「反撃」があったのか否かをチェックする機会を得た。結論としては「無い(ようだ)」というところで落ち着いたのだが、その過程でDHLの面白い広告を見つけることができた。今回はそれを紹介することにしよう(I Believe in Advertising)。
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↑ DHLスタッフがポリ塩化ビニールでプリントされていて、めくると相手に……
これはDHLが上海で展開した雑誌用の広告。見開きのページにはそれぞれ、男性と女性が手を差し伸べる様子が描かれている。そしてその間には透明のPVC(ポリ塩化ビニール)にプリントされた、荷物を持っているDHLの職員が両面プリントされている。
読者は最初にページを開けた時、DHLの職員のPVCページが男性か女性、どちらかのページに貼りついていて、「お客様から荷物を受け取っているシーン」を見ることができる。そして自らの手でPVCのページをめくると、相手方の手元に荷物を「届ける」ことが出来る仕組み。
一枚めくるという短時間のプロセスだけで、相手に荷物を届けるビジュアルが完成することで、「DHLのサービスが素早く、しかも確実に荷物を送り届ける」ということを読者に体感させ、理解させることが可能となる。単に素早いだけでなく、品物を確実に届けているのが分かるのがポイント(何しろ該当ページをめくり、反対側のページに「同じページを」かぶせているだけなのだから)。
印刷工程には多少のコストがかかること、使える業態が限られること(輸送関連限定)などの条件はある。しかし例えば左側に農家の人、右側に主婦を配してPVCには野菜を描いて「産地直送」をうたうなど、色々と応用が効きそうな上手い切り口といえよう。
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