【更新】自転車をこぐ力で飲み水を創る自走浄水装置「シクロクリーン(Cycloclean)」
2011/02/19 06:55
先日姉妹サイトの記事【自転車応用の自走人力浄水装置「シクロクリーン(Cycloclean)」が大活躍している件について】でお伝えしたが、自転車そのもので移動が出来、そのこぐ力で水を浄化できる日本ベーシック社の浄水装置【シクロクリーン(Cycloclean)】が注目を集めている。地震などの災害緊急時で断水が発生した場合の浄水装置だが、新興国のインフラ未整備地区で活躍の場を与えられつつあるというのだ。
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↑ シクロクリーン(Cycloclean)
シクロクリーンは、塩素殺菌機能付き自転車搭載型緊急用浄水装置。地震などの災害による断水時に、河川や池・学校のプール・防火用水・風呂の残り湯などを水源に、自転車を漕ぐだけで、1時間に180人分の飲料水(1人1日2リットル換算)を造り出すことができる。水源に垂らす1次フィルターから細菌を通さない精密ろ過MF中空糸膜の最終フィルターまで、4つのフィルターで汚れた水を浄水化する(塩素水タンクは任意で外せる。また、河川や湖沼、プール、防火水槽などの水が対象で、海水はろ過できない)。
同社ではシクロクリーンをマンション管理組合や町内会・自治会など、地域コミュニティによる災害直後の3日間を想定した「水」の確保策として提唱している。しかし【トピックスライブラリ】を見れば分かるが、むしろバングラデシュやミャンマーなどが事例として挙げられているように、新興国での被災地やインフラ未整備地域での水供給体制の確保手段として注目を集めている。さらにシクロクリーンを利用する国自身で生産することで、安価に提供を行うと共に、現地における雇用の創生をも模索している。
ろ過用のフィルターの補充の件や、単価がまだ高い(一式55万円から)など普及の上ではまだ越えねばならないハードルは低くない。しかし動力源が人力であること、機動力が極めて高い(運用上の小回りが利く、装置そのものが容易に自走できる)ことなど、長所は大いに注目できるものがある。日本国内に限っても自治体などで災害の際の「備え」に十分な利用価値がある。また、国際貢献という観点でも注目に値する機材と言えよう。
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