【更新】退職後の活動、日本は世界的に見ても消極的

2011/02/21 06:40

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ボランティアニールセン・カンパニー合同会社は2011年2月15日、「高齢化社会の日本への影響」の調査結果を発表した。それによると「定年退職後の活動予定」について、日本は世界の他の地域と比較して、全般として消極的なことが分かった。特にボランティア活動やクラブ活動など、社会的な活動面での低さが目立つ結果が出ている([発表リリース])。



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今調査は2010年9月3日から9月21日にかけてアジア太平洋、欧州、中南米、中東、アフリカ、北米の世界53か国2万6000名以上の消費者を対象にインターネット経由で実施されたもの。サンプル数はインターネットのユーザーをベースに、各地域の年齢や性別によって割当てられ、インターネットを利用する消費者を代表するように割り付けられている。

定年退職後に何をする予定なのか、提示した選択肢で当てはまるものについて複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。積み上げ式なので、各項目における回答率が高い、つまり積極的な回答が多いほど、合計値も高くなり、グラフも縦長なものとなる。

↑ 定年退職後の活動予定
↑ 定年退職後の活動予定

まず第一に目に留まるのは、日本のグラフの短さ=活動予定の少なさ。「その他」以外の具体的項目で唯一世界平均より高い値を示しているのは「再就職・新しい仕事」で、約1/4の回答率となっている。これは一つに、世間一般的によく言われている「会社人間型」の人が多く、仕事そのものに生き甲斐を見出しているからというもの。そしてもう一つは【4割強が老後難民予備軍…退職後の資金準備額、ゼロの人は44.3%・50代でも2割強】【「定年後も働く」団塊世代は84.9%、大部分は経済的理由から】などで触れているように、定年退職までの蓄財や退職金だけでは老後の生活が厳しいため、退職後も別口で働かねばならないからというもの。今調査ではこの2パターンのうちどちらによるものかまでは判断できないが、双方とも十分に想定しうる。

クラブ活動また「旅行」「園芸」のような自分自身の娯楽の項目では他国とさほど変わらないものの、冒頭でも触れたように「ボランティア」「クラブ活動」「孫の世話」のような社会的活動、他人や社会への貢献事業には及び腰であるのが分かる。これもまた「自分自身の身の回りで精いっぱいだから」という事情もあれば、独りよがりな、あるいは逆にシャイなゆえに社会的行動が苦手とする日本人的性質が現れた結果と考えることもできる。

ただ、以前【4割近くは「独り老後」と推定】【4人に3人は「お金持ってるけど、でも」… 万引きした人の所持金と心理的背景】などで指し示したように、社会的に孤立気味な生活は、本人にとって良くない結果を生み出すリスクを高めるともいえる。一人ひとりが意識的に行動するのはもちろん、社会的にも後押しする仕組みを模索しなければならないだろう。



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