自動車のガソリン消費総量推移
2011/02/13 12:00
先に【ガソリンスタンド数の推移】でガソリンスタンド数が漸減傾向にある要因をいくつか挙げた。燃費改善や自動車利用スタイルの変化など、多種多様な項目がガソリンの消費量を減退させ、それが需要減につながるとなりうるという話だ。それではズバリ、ガソリンをはじめとした自動車の燃料の消費総量はどのような推移を見せているのだろうか。今回はそれをグラフしてみることにした。
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データの取得元は国土交通省の【交通関係統計等資料】。ここから「自動車輸送統計調査」の年報を選び、各年の「統括表」から「貨物自動車燃料消費量」と「旅客自動車燃料消費量」を選択する。この項目はデータそのものは1978年分から存在するのだが、1987年に貨物自動車で測定範囲の変更が行われて(軽自動車を含めるようになった)データに断絶が生じてしまっているので、1987年以降のものについてグラフ化を行う。
燃料の区分は貨物自動車が「ガソリン」「軽油」、旅客自動車が「ガソリン」「軽油」そしてタクシーなどでよく使われるLPガス(LPG)の計5系統。なお貨物・旅客共に自家用車を含んでいる。
まずは単純に各項目を折れ線グラフで示したもの。
↑ 自動車燃料消費量推移(貨物・旅客双方とも自家用含む)(単位:キロリットル)
旅客用ガソリンは2000年頭をピークに漸減、貨物用ガソリンは計測開始時からほぼ漸減を継続。軽油は旅客が1990年代後半、貨物が2000年頭をピークに、やはり漸減している。LGガスはほとんど変化が無いように見える。
そこで各区分の量を積み上げグラフにし、総量も分かるようにしたのが次の棒グラフ。
↑ 自動車燃料消費量推移(貨物・旅客双方とも自家用含む)(単位:キロリットル)(積み上げグラフ)
総量としては2001年がピーク。以後緩やかではあるが、漸減状態にある。ただし変化という点では少々分かりにくい。
そこで各項目の前年比を計算し、折れ線グラフにしたのが次の図。
↑ 自動車燃料消費量推移(貨物・旅客双方とも自家用含む)(前年比)
元々貨物用ガソリンは消費量の減少傾向が続いていたが、2000年前後をターニングポイントとして他の項目でも消費量が減っているのが分かる。特に貨物用軽油の減少率が著しい。また旅客用ガソリンは減少傾向に至るまでに数年の遅れが見られ、また最新の2009年では再び増加傾向を見せている。
ともあれ、全体としては2001年が消費量の最大年で、後は少しずつ減少中。消費量変化率は毎年マイナス1.9%/年程度(減少を始めた2002年以降平均)。消費量の減少がそのままガソリンスタンド数の減少に連動するわけではないが、毎年2%近くのお客の消費が減り、競争が激化することを考えれば、経営環境が厳しくなるのも道理といえよう。
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