ロシア南西部のベルゴロド州当局、バレンタインデーの自粛を通達

2011/02/11 12:00

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バレンタインロシア通信社ノーボスチ(RIA NOVOSTI)が【伝えるところ】によると、ロシア南西部のBelgorod(ベルゴロド)州当局は2011年2月4日、学校をはじめとする公的機関におけるバレンタインデー関連のイベントを極力控えるよう通達を出した。若年層に対するマイナスの影響を避けるためと説明している。同州では昨年Oleg Polukhin副知事が「ベルゴロド州における、精神的に穏やかな環境の確保を確実なものとするために、必要な措置を取る」との通知を署名付きで出しており、今回の「バレンタインデー自粛令」に沿ったものと伝えている。また同州のロシア正教会のOrthodox大司教からも歓迎の意見が寄せられている。



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Belgorod(ベルゴロド)RIAの報によるとこの通達によって、地方自治体は教育機関や文化的施設をはじめとした各種公的機関において、バレンタインデー、そしてハロウィン関連のイベントが許可できなくなる。州政府当局者は「これらのイベントは若者たちの精神的・道徳的成長を阻害する。そもそもこれらのイベントは関連業界に利用されているものだ」と説明。

しかし同時に「今件は拘束力のある命令では無く、『そのように対処することが望ましい』とする推奨の通達である」とも付け加えている。例えばバレンタインデーにコンテストやダンスパーティーを学校長が計画しても、誰も彼を拘束したり非難することは無い、しかし州政府としては自粛することを「望んでいる」としている。

一方で現地メディアは州当局から「ハロウィンやバレンタインデーが、ロシアの伝統的な価値観を否定するもので悪しきものだ」と視聴者に説明するよう申し伝えられている。さらに動物園やナイトクラブをはじめとする多くの法人や団体は、今回の通達を受けて開催予定のイベントを中止した。

コンサートなお同州における社会的なイベントの(事実上の)中止命令はこれが初めてではない。2004年にはYevgeny Savchenko知事が州内すべてのDJに対し「管轄する行政機関で一定の研修を受け、流す曲には特別にチェックが入る」「不道徳な曲を流してはいけない」と命じている。しかし具体的に「不道徳な曲リスト」が創られたことは無かった。また2010年には同州内のナイトクラブとレストランにおけるヘビメタのコンサートが禁止されている。

今件は同州の文化、特に対人関係上の慣習を守るため、「乱痴気騒ぎ的な、商業主義的な西洋の文化に汚染されないため」の措置としての通達な感はある。インターネット上のジョークとして、季節イベントで街中を仲が良い男女によって埋め尽くされるのに対し「クリスマス禁止」「今年のバレンタインデーは中止となりました」的な話で盛り上がるのはよくある話。しかし実際に公的機関によって(法的拘束力こそないものの)バレンタインデーやハロウィンのイベントの自粛が求められる状況に触れると、いささか滑稽な感がしてならない。

あるいは世の中の(カップルによる)お祭り騒ぎに心を痛めている一部諸氏に対して、「精神的・道徳的成長を阻害しかねない」という思いやりの気持ちからの「バレンタインデー禁止」的な措置であるのなら、多分に理解できなくも無いのだが。


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