グーグルトレンドで「新年の決意」を知る
2011/02/06 19:30
今年もすでにあと11か月を切る時期となりまして……という、よくありがちな言い回しはともかくとして。新年からすでに一か月以上経過し、「今年こそは-をしなければ」と初日の出に向けて気持ちも新たに決意した事柄は、まだ守られているだろうか。「年の区切りに新たな決意をする」のは日本だけに限った話ではない。【urlesque】では海外(英語圏)で幾つかの分野における「年初の決意」が手に取るように分かる分析を、該当キーワードの検索頻度動向を教えてくれる【グーグルトレンド】をもとに紹介している。
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「幾つかの分野」の具体的な項目とは、ズバリ「ダイエット」。主要なキーワード「Resolution(決意)」「Diet(ダイエット)」「Get Fit(健康維持・確保)」「Weight Loss(体重減少)」、そして類似用語として「Get Organized(整理整頓)」「Quit Smoking(禁煙)」において、どの程度検索されたかを抽出し、その傾向を分析している。実際に英語版のグーグルトレンドを用いてこれらのキーワードで検索をしてみれば分かるのだが、面白い様に「年末から年頭にかけて検索数が急上昇する傾向」を見せている。
↑ 「Diet(ダイエット)」
↑ 「Weight Loss(体重減少)」
↑ 「Quit Smoking(禁煙)」
経年と共に検索量が増加するのは、インターネットの普及浸透によるものとも考えられるので、一概に「近年になるに連れて-への関心が高まりつつある」と言いきることはできない。しかし月単位の変移ではその影響は無いので、「ダイエットにしても禁煙にしても、皆が年末年始に決意を新たにしてるけど、すぐに興味関心が薄れてしまうのネ」ということが分かる。「禁煙」に関してはむしろ近年ほど、その年のピーク検索量が減少しており、(インターネット上での)関心度が低下しているのでは、と思わせるほど。
区切りの良い時に気持ちを新たにして色々と決意するのはいいのだが、三日坊主ならぬ一か月坊主で済んでしまうことのないよう、注意したいものだ。
●日本ではどうだろうか
……とここで終わりにするのは少々惜しい話なので、折角だから日本の場合も調べてみた。しかし日本語の場合は同じ内容を意味する言葉にも、多種多様の言い回しが使われており、英語ほどの特異な傾向は確認できなかった。
↑ 「ダイエット」で検索
そして、むしろ上の「ダイエット」にあるように、年明けというよりは「年度明け」(3-4月)に検索量が増加する傾向を見せている。ただしこの数年は、時節のニュースに影響される感が強く、年・年度替わりでの決意云々の傾向が隠れてしまっている。
↑ 「整理整頓」で検索
一方「整理整頓」となると年中検索されまくっている。どうも日本人は掃除が苦手らしい(笑)。
興味深い傾向を見せるのが「禁煙」。
↑ 「禁煙」で検索
年明けよりは年度明けに検索量が増加するのは他のキーワードとさほど変わらない。一方で(2004年のは原因が不明だが)2006年夏ごろと2010年秋ごろに、イレギュラー的な検索量の増加が確認できる。これは【値上げによる家計のたばこ支出金額推移への影響を過去二回分と合わせて】でも触れているように、それぞれたばこの値上げの時期に一致しており、値上げに伴い禁煙を考えている人が増加したことを示唆する動きとなっている。
さらにいえば上記で触れているように「昔より今の方がインターネット利用者が多い」ことによるかさ上げもあるものの、2006年時より2010年時の方がはるかに検索量が多いのが確認できる(個々の年度の春先の検索量はさほど変わらず、「底上げ効果」はあまり影響していないようにも見えるが)。それだけ今回の値上げが、喫煙者に大きなインパクトを与え、禁煙を考えさせる要素となったと考えられる。
「検索」という行動は知的探究心の現れに他ならない。必然的に興味関心度の高い要件は検索数も増加する。世の中の流れやニュースで気になることがあれば、「自分以外の人はどれだけ注意関心を寄せているのか」ということについて、数量的な検証をしてみるのも一興といえよう。
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