携帯電話のリサイクル経験者は4割足らず、しない理由は「データを手元に残したい」
2011/02/06 06:25
ネットエイジアは2011年2月4日、携帯電話のリサイクルに関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうち携帯電話の買い替え経験を持つ人においては、リサイクルとして不要端末を提供した経験がある人は4割足らずな事が分かった。提供しない理由としては「写真などのデータを保存したい」「個人情報流出が怖い」「通信以外の機能で使いたい」などが上位に挙がっている(【発表リリース】)。
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今調査は2011年1月3日から19日にかけて、15-39歳の男女1076人に対して携帯電話を用いたインターネット経由で行われたもので、男女比は534対542。年齢階層比は10代221人・20代437人・30代418人。
今調査母体のうち現在使っている携帯電話が1台目(はじめて・買い替え経験無し)の102人以外の974人に対し、これまでに不要端末をリサイクルとして回収提供したことがあるかを聞いたところ、提供経験者は38.6%に留まっていた。
↑ これまでに不要端末をリサイクルとして回収に提供したことはあるか(買い替え経験者限定)
レアメタル周りで回収を促進させたい携帯業者側としては、あまり嬉しくない結果ともいえる。歳を経るほど提供率が増加するのは、データ消去などリサイクル業者に対する信頼性の高まりや、自分自身でデータを削除するノウハウに長けている、データの転送先や手段を有しているなど複数の理由が考えられる。
ではなぜリサイクルに提供しないのか。その理由を複数回答で尋ねたところ、最多回答項目は「写真など思い出として保存したい」で、回答者全体では2/3近くに達する結果となった。
↑ 不要端末をリサイクルに提供したことがない理由(複数回答)
「写真データならパソコンに移せばよいではないか」という意見もあるだろう。しかしすべての携帯電話保有者がパソコンを常用しているとは限らない。また、パソコンを使っていても転送の仕方が良く分からない、さらには面倒くさい・携帯電話で閲覧できるのが良い(表示の手軽さ、素早さ)とする考え方もあろう。
次いで多いのは「個人情報流出への危惧」。リサイクル業者側としてはこの不安を解消するため、データの取扱いには十分以上に注意を払っている。しかし携帯内部に納められている情報の大切さ・プライベート度の高さは、その注意配慮による安全性を上回るほどであるという判断が下されていることになる。「万が一にでも」という不安が残るわけだ。
以上上位二項目は方向性は異なるものの「手元にデータを残しておきたい」という点では共通のもの。第三位として初めてそれ以外の理由「通信以外の機能で使いたい」が入る。要は多くの人にとって携帯電話は、それ自身の本体そのものや機能同様に、内部に納められているデータも大切であり、それらが一体化してはじめて「自分の携帯電話」としての認識がなされているわけだ。
男女別で見ると女性はデータ保全や子供へのおもちゃ代わりとして、男性は予備機や回収手続きの面倒さの点で、それぞれ異性より高い値を示している。男性が実務的な点を重視しているのに対し、女性はより携帯電話(と共にあるデータ)に愛着を持っている感がある。男女の携帯電話に対する思い入れの方向性がうかがい知れ、興味深い。
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