異性向けの漫画、面白いと思った事ある?
2011/01/23 12:00
アイシェアは2011年1月21日、新潮社と共に、漫画好きを対象とした漫画に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、異性向けの漫画で「面白い」と思った作品があると答えた人は全体で9割以上に達していることが分かった。「よくある」とする回答者も4割近くに登る。男女別では男性よりも女性(つまり女性が男性向け漫画を読んで「面白い」と思う割合)の方が高い傾向にあることが確認できる(【発表リリース】)。
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今調査はアイシェアが2010年12月22日から2011年1月5日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員(携帯電話による個人認証を利用したもの)に対してパソコンのインターネット経由で「漫画好き」と回答した人に行われたもので、有効回答数は1205人。男女比は50.6対49.4、年齢階層比は20代25.2%・30代36.5%・40代38.3%。
四半期ごとに定期更新している、社団法人日本雑誌協会のデータを基にした書籍・雑誌に関する印刷証明付き冊子数の推移だが、【夏休みの影響も?…少年・男性向けコミック誌の部数変化(2010年7月-9月データ)】のような男性向けコミック誌以外に、当然女性向けコミック誌も多数データが存在する。当サイトの読者性向や当方(不破)自身の解説力上の事情から、「少女・女性向けコミック誌の部数変化を-」が無いだけの話。
要は書籍・雑誌には、特に対象性別を問わないものの他に、女性向け・男性向けのものが存在するわけだ。しかし例えば「少年ジャンプ」「少年マガジン」「少年サンデー」など「少年」と雑誌名に冠するものであっても、実際には多く女性にも愛読されていることもまた事実。
それでは男性なら女性向け、女性なら男性向けの漫画の中で、それぞれが面白いと思う作品はあるのだろうか。全体では4割近くが「よくある」、5割強が「たまにある」と回答しており、漫画側が用意した対象性別のカテゴリーを超えて興味を引く作品が多数存在することが分かる。
↑ 異性向けの漫画で面白いと思った作品はあるか(漫画好き限定)
興味深いのは属性別で大きな違いが見られること。まず男女別だが、冒頭でも触れたように「男性が女性向け漫画で面白い」と思う割合より、「女性が男性向け漫画で面白い」と感じる作品がある割合がはるかに多い。これは漫画に良く目を通している人なら何となく分かるだろうが、男性向け漫画の少なからずにおいて、はっきりとした対象性別を持たず、「どちらかといえば男性向け、かな?」というぎりぎりなラインのものがあるからだ。例えば『ONE PIECE』は「週刊”少年”ジャンプ」の連載漫画ではあるが、多くの女性ファンも存在している。
また、若年層ほど性別区分の枠を超えて、作品を好きになる割合が高い。若年層向けの漫画ほど、対象性別をあまり気にしなくても目を通せるということなのか、あるいは歳を経ると対象性別を気にするようになるということなのだろうか。
実際のところ男性向け・女性向けの漫画と銘打っていたとしても、読者の性別を拘束するものではない。あくまでも選択の際のガイドラインでしか無く、「面白い」「手に取って読んでみたい」と感じるものがあれば、自分の性別と異なる作品でも手にして一向に構わない。むしろ毛嫌いしているとしたら、人生の何割かを損している、かもしれないのだから。
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