生命保険非加入理由、トップは?
2011/01/19 12:10
以前掲載した【世帯単位での生命保険加入率推移】でデータ取得元として用いた【生命保険に関する全国実態調査】において、保険や将来設計に関する興味深いデータを複数確認することができた。今回はその中から、「世帯単位で生命保険・個人年金保険に入っていない世帯の非加入理由」について確認をすることにした。
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用いる調査報告書は最新の「平成21年度・生命保険に関する全国実態調査」。調査は2009年4月1日から5月19日にかけて、層化二段無作為抽出法によって選ばれた、世帯員2人以上の一般世帯に対して留置調査(訪問留置・訪問回収法)で行われたもので、有効回答数は4054。
以前の記事で作成した生命保険(個人年金保険含む)加入状況のグラフはこちら。今回はこれら加入者”以外”の、非加入理由について探りを入れることになる。
↑ 生命保険(個人年金保険含む)加入状況(再録)
保険も金融商品の一つに他ならず、加入の是非は個人・世帯の最終判断に任される。とはいえ「保険」という言葉の定義にもあるように、「万一の際の金銭的な備え」の手段を使わないのは気になるところ。これを複数回答で尋ねたところ、トップは「経済的余裕が無い」で、45.8%にも達していた。5割近くは「毎月の保険料の支払いがキツくて生命保険に加入していない」ということになる。
↑ 生命保険・個人年金保険の非加入理由(複数回答)
第二位の「健康上・年齢制限のために加入できない」の19.6%と比べるとダブルスコア以上の値を見せており、いかに多くの人が経済的理由で生命保険に加入していないかが分かる。
第四位以降は回答率が1割未満であり、大勢としては無視してかまわないレベルのもの。つまり「経済的理由がトップ」「身体・年齢の事情で入りたくても入れない」「若い、あるいは資産がたっぷりあるので生命保険の必要性があまり感じられない」の3点が「三大生命保険非加入理由」といえる。
繰り返しになるが、保険は加入して被保険者の「万が一そのものの」のリスクを減らせる訳ではない。「万が一」が起きた場合、周辺の人たちの「金銭的な」リスクを減らせるのみ。その金銭的リスクを減らせるにも関わらず、金銭そのものに不安を覚えて加入しないあたりは、一種のジレンマすら感じてしまうのだが、いかがだろうか。
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