生命保険加入世帯の年間保険料推移

2011/01/17 12:10

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減少先日掲載した【世帯単位での生命保険加入率推移】で資料元として使った【生命保険に関する全国実態調査】において、保険に関する興味深いデータがいくつか確認することができた。今回はその中から、生命保険などに加入している人が支払っている、年間の世帯あたりの保険料の推移を確認してみることにした。



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用いる調査報告書は最新の「平成21年度・生命保険に関する全国実態調査」。調査は2009年4月1日から5月19日にかけて、層化二段無作為抽出法によって選ばれた、世帯員2人以上の一般世帯に対して留置調査(訪問留置・訪問回収法)で行われたもので、有効回答数は4054。

以前の記事で作成した生命保険(個人年金保険含む)加入状況のグラフはこちら。今回はこれら加入者が、年間でどれだけ保険料を支払っているのか、その推移をグラフ化することになる。

↑ 生命保険(個人年金保険含む)加入状況
↑ 生命保険(個人年金保険含む)加入状況(再録)

生命保険に入っている人にとっては、万一の際の保険金がどれほどのものになるのか、特約にはどのようなものがあるのかと共に、非常に気になるのは「毎月、年あたりの保険料の支払額がいくらになるのか」。家計へ確実に影響を与えるだけに、加入者の平均は参考になるはずだ。

↑ 生命保険・個人年金保険の世帯年間払込保険料推移(加入世帯限定)(万円)
↑ 生命保険・個人年金保険の世帯年間払込保険料推移(加入世帯限定)(万円)

以前の記事で触れたように、2009年調査から生協・全労済を調査対象に加えている。そこで従来ベースの推移のグラフと共に2009年は生協・全労済分を追加してある。

支払い額の推移を見ると1997年をピークに漸減しているのが分かる。【過去60年にわたる消費者物価の推移】と比較すると、1990年代後半まではほぼ消費者物価指数と共に上昇するものの、それ以降は物価指数が横ばいなのに対し、保険料は減少しているのが確認できる。

保険「生協・全労済に移行した分だけ減った」と考えるのは、【全労済の契約状況推移】を見ると少々無理がある(全労済が制度変更などで一時的に契約者数を伸ばしたのは2004年度以降)。今数字は「加入者における平均額」だから、以前の記事で解説した「生命保険加入者の加入率そのものが低下している」のに加え、「生命保険加入者の支払い保険料も減少している」と見るべき。

もちろん一概に「保険料負担がキツくて安いものに切り替えた」ばかりでは無く、「同等の保障をする、安い保険料の保険商品が次々登場し、乗り換えを勧められた」「少子化で生命保険に加入する世帯当たりの人数が減った」など複合要因は想定できる。それでもなお、世帯当たりの生命保険支払い料が漸減していることに違いは無い。

加入率・加入者ばかりでなく、加入者の支払い額も減少している生命保険(医療保険では無い)。人々の生命保険に対する考え方が変わってきたのか、それとも優先順位の問題で後回しにされているのだろうか。考えるべきことは多そうだ。



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