1980年代のハイテクアイテムの数々、今の子供達が見たら?

2011/01/14 19:30

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20余年の最新ハイテクアイテム先日姉妹サイトでも【技術革新は光速で...80年代のテクノロジーを今の子供に見せてみよう】で紹介したが、カナダのケベック州にあるフランス系の小学校で【Cyberpress.ca】によって行われた、子供達へのインタビュー動画が非常に興味深い内容として話題を呼んでいる。1980年代に普及したさまざまな「当時の」ハイテクアイテムたちを「今現在の」子供達に見せたら、一体どのような反応を示すのかという、社会科学的な面からの実験としても注目に値する内容のものである。



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↑ Il e'tait une fois... les technologies du passe'.
↑ Il e'tait une fois... les technologies du passe'

動画タイトルの「Il e'tait une fois... les technologies du passe'.」はフランス語で「むかしむかし、過去の技術」を意味する。動画内で使われている言葉も基本はフランス語だが、掲載した人が英語の字幕・吹き出しをつけており、何とか解読することができる。しかしむしろ、子供達のリアクションで言葉が分からなくとも、どのような反応を示しているのかが手に取るように分かる。

1980年代といえば今から20-30年前。「十年ひと昔」という言葉になぞらえればふた昔以上前の話になる。しかしこの間に、特にデジタル系の技術は加速度的・爆発的に進化を遂げ、当時の技術は面影とコンセプト・精神くらいしか現在に引き継がれていないものも少なくない。

例えばこちら、フロッピーディスク。


↑ 3.5インチ・5インチフロッピーディスクを手に、カメラや銀行のキャッシュカード、CDケースではないかと想像する子供達
↑ 3.5インチ・5インチフロッピーディスクを手に、カメラや銀行のキャッシュカード、CDケースではないかと想像する子供達

現在のパソコンのハードディスクの構成は大抵がCドライブにシステム部分が収まり、Dドライブ以降にデータ領域が割り当てられていることが多い。「なぜA・Bドライブが空いているのか」の理由が、このフロッピーディスク。

元々は外部記憶装置として、これらのフロッピーディスクを出し入れするフロッピーディスクドライブがパソコンに内蔵されており、そのドライブにAドライブ・Bドライブが割り当てられていた。そしてハードディスクはCドライブ以降が該当していた。つまりメインの記憶媒体はこれらのフロッピーだったわけだ。今やフロッピーは使われなくなり、専用ドライブもパソコンから消えてしまったが、その名残としてドライブの割り当てもCドライブからとなっているという次第。

現在の子供達は当然フロッピーディスクなど使ったことはおろか見たことすら無く、初めて見る物体に驚き不思議がり、そして「カメラ」「銀行のキャッシュカード」「CDケース」など、自分が知っている「現在の」デジタル系アイテムやその周辺機器ではないかと想像することになる。

動画中に登場する「昔のハイテクアイテム」は「ゲームボーイ(初代)」「カートリッジタイプのゲームソフト」「3.5インチ・5インチフロッピーディスク(大本のフランス語では8インチとしているがこれは間違い)」「大昔のHP製マウス(トラックボール式)」「カセットオーディオプレイヤー(8トラック・カートリッジテープ)」「レコードプレーヤーとレコード」「ダイヤル式の電話機」「VHD」。中には現在使用されている機器と形状が似ているため、どのような用途に使うのかがすぐに分かる場合もあるが、多くは形だけでは皆目見当がつかず、頭をひねるばかり。

驚かされるのはそこから。ひと目見てそれが何であるかが分からなかった後、色々な方向から見まわしたり、操作したりなどいじり倒し、何とか答えを導き出そうとする。そしてその多くが正解にたどり着くから大したもの。それが間違いだったとしても、想像力をフルに働かせ試行錯誤を繰り返し、出てくる回答が実にユニーク。

↑ カセットオーディオプレイヤーの形を見て「それ、爆弾じゃないの?」と冗談交じりに茶化す男の子。そんな危ないモノは実験に出さないし、ハイテクアイテムとして普及してません(笑)
↑ カセットオーディオプレイヤーの形を見て「それ、爆弾じゃないの?」と冗談交じりに茶化す男の子。そんな危ないモノは実験に出さないし、ハイテクアイテムとして普及してません(笑)

20-30年とはいえ、半世紀のそのまた半分でしかないのも事実。それだけの時間の流れで、ここまでテクノロジーが進歩発展し、使われる機器の形状が変化した時代は、恐らく人類史上これまでに無かったことだろう。これから同じ時間、つまり20-30年経過した未来では、やはり我々が今ごく普通に利用している最新のデジタルアイテムもまた、博物館でしか見ることができず、世間一般の人が見たら今回の動画と同じような反応を示すに違いない。そう考えると、実に感慨深いものがある。



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