地域対抗ゲーム大会なバス停広告
2011/01/09 12:20
【イケアのイカすバス停留所広告】や【バスが来たのも忘れてしまいそうな停留所】にもあるように、バスの待ち時間を過ごすバス停で有意義な時間を満喫できるように、しかもその過程でさまざまなメッセージを心に刻んでもらおうと、多種多様な催しが行われている。今回紹介するのもその類だが、単に「面白い」というだけでなく、競争心をかきたてさせて熱中させる「仕組み」が施されているのが特徴なバス停である(Coloribus.com)。
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↑ Yahoo Bus Stop Derby。
↑ Yahoo! Bus Stop Derby公式サイト。
これはアメリカのサンフランシスコで本家のヤフーアメリカが展開している、バス停留所を利用したプロモーション。サンフランシスコ内の20か所のバス停に、72インチもの大型タッチパネル式のディスプレイを用意している。そして4つのシンプルなゲーム(タイピングゲームなど、いわゆるカジュアルゲームと呼ばれているもの)を楽しむことができる。
これだけならこれまでの「バス停での時間待ちを有意義に過ごすゲームの提供」と何ら変わらない。この「Yahoo! Bus Stop Derby」がこれまでのと違うのは、多分にソーシャル性・競争性を含んでいること。まず4つのゲームについてだが、ソロプレイと対戦プレーを選択できる。ソロプレイの場合は条件を満たして勝利すれば25ポイントを得られる一方で、対戦プレーの場合は他のバス停とのプレイヤーとの競争になり、勝利を収めれば100ポイントを獲得できる。負けた方はゼロ。
得られたポイントは逐次プレーしたバス停に蓄積され、バス停そのものや公式サイトに掲載されていく。そしてスタートの2010年11月24日から10週間経過した、2011年1月28日午後11時59分59秒時点でもっとも点数の多いバス停が勝利を収めることになる。自分のプレイ結果は次々にそのバス停に蓄積され、周囲の人たちの目に触れられる。
その上、最終的にトップの座についたバス停には、特典が与えられる。そのバス停が位置する地域で、シカゴ出身のバンド【OK Go】のライブ(いわゆるブロックパーティー)が開かれるというのだ。
↑ 「OK Go」の公式動画の一つ。
自分地元で、人気のバンドグループのライブが開演されるかもしれないとなれば、特に若年層のやる気も高まるというもの。YouTubeで【Yahoo Bus Stop Derbyを検索すると】色々なプレイヤーが投稿した動画を確認することができる。
高校野球で自分の出身校でもないのに自分の居住・出身の都道府県校を応援したくなるのと同様に、キャンペーン期間中は逐次ポイントが加算されていく「自分の行きつけのバス停」に熱い声援を贈ってしまいたくなるもの。当事者としてゲームに参加するとなれば、やる気も格段に違ってくる。当然、熱中して見入ることになる画面中で常に表示されるYahoo!に対するブランド力は高まるし、得点経過をチェックするために公式サイトへは足しげく通うようになり、これもまたヤフーにとってはプラスとなる(ワールドカップ開催中に、つい何度となく公式サイトや、得点経過を掲載するポータルサイトにアクセスしてしまうようなもの)。
ソーシャルゲームが流行る昨今、誰もが気軽に参加でき、地域性も加味され、熱心に楽しむことができ、話題性にも富んでいる。日本でも少々変更をすれば、十分に展開し得るキャンペーンといえよう。
一つだけ弱点があるとすれば。ゲームに夢中になりすぎて、バスに乗り遅れてしまうリスクがあるということだろうか(笑)。
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