若者は減り、中堅層は増え…米ブログ利用者の動向

2011/01/06 06:49

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ソーシャルメディアアメリカの大手調査機関PewResearchCenterが2010年12月16日に同社公式サイトで発表した、同国におけるインターネットの浸透状況や世代間の格差などを示した調査結果【Generations Online in 2010】には、同国内でのインターネットの普及具合、世代間のギャップの状況などを検証できる貴重なデータが多数盛り込まれている。今回はその中から「世代間のブログ利用率」について見ていくことにしよう。



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今調査は2010年4月29日から5月30日に渡って、RDD(Random Digit Dialing、乱数で創り出した番号に電話をかける方法)方式で選ばれた同国国内の番号番号に対する、電話による通話アンケートでおこなれたもの。有効回答数は2252人で、直近のアメリカにおける国勢調査結果を元に各種属性に対し、実際の人口比率に近い比率に調整を行っている(具体的区分は【アメリカの年齢区分の表記方法とネット人口構成比】を参考の事)。

元々ウェブサイトを簡単に構築・運営するための仕組みが「ウェブ・ログ」こと「ブログ」だった。コメント機能やトラックバック機能を設けて、読者や他のブログ運営者とのコミュニケーションもしやすくしているのが特徴。しかし昨今ではより簡単に、より多面的にそれらのメリットを享受できるソーシャルメディア(特にFacebookなどのSNS)が浸透し、若年層の間では「ブログ離れ」が顕著なデータとして表れている(【なぜ昔と比べてブログの更新頻度が減ったのか、理由は…】【あなたのブログ歴は?】)。

実際、今回とは別個の調査結果でも12-17歳に限れば2006年-2009年において、ブログの運営・保有率はほぼ半数にまで減少してしまっている。

↑ 10代のブログ運営率推移(インターネット利用者に対して、12-17歳)
↑ 10代のブログ運営率推移(インターネット利用者に対して、12-17歳)

今調査でもこの2年間の中で「インターネット利用者における」ブログの運営率は18-33歳の層で減少が見られる。一方でそれより上の層では(74歳以上を除けば)大きく上昇している。

↑ ブログ運営率推移(インターネット利用者に対して、年齢階層別)
↑ ブログ運営率推移(インターネット利用者に対して、年齢階層別)

元資料では「若年層は独立性の強いブログよりも、横のつながりが容易に出来るソーシャルメディアに乗り換えているのかもしれない」と推測しているが、上記のリンク(「State of the Blogosphere 2010」のデータなど)を見れば、その推論は正しいことが分かる。中堅層以降が増加している理由は触れられていないが、ブログシステムの操作性の向上や機能の拡大、自己主張の場を求める人の増加ゆえのことだろうか。

ちなみに、各世代のインターネット利用率を乗じて「各世代の全体数に占めるブログ運営率」を算出すると次の通りとなる。

↑ ブログ運営率(各年齢階層全体に対して、年齢階層別、2010年5月)
↑ ブログ運営率(各年齢階層全体に対して、年齢階層別、2010年5月)

若年層ではほとんど変移はないが、高齢層に至るにつれて世代間ギャップが大きくなっているのが分かる。65-73歳では20人に1人しかブログを運営している人はいない。まずはインターネットそのものにチャレンジして、ブログなどの自己表現の場で多種多様な意見を述べ、「情報の海」をさらに活性化してほしいものだ。



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