総合スーパーへ足を運ぶ理由、トップはやはり食料品
2011/01/03 12:00
マイボイスコムは2010年11月25日、大手スーパーの利用に関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうち総合スーパー(ジャスコやイトーヨーカドー、西友、ダイエーなど)を利用する人が、それらのスーパーの利用理由としてもっとも多くの人が挙げたのは「食料品の調達」だった。8割以上の人が同意を示している。かつて総合スーパーの中心的存在だった衣料品の調達を目的とする人は、半数以下に過ぎないとの結果が出ている(【発表リリース】)。
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今調査は2010年11月1日から5日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1万1865人。男女比は46対54で、年齢階層比は10代2%・20代11%・30代32%・40代32%・50歳以上23%。
以前【スーパーやデパートの主要商品構成比の移り変わり】や【百貨店やスーパーの分野別売上高推移(2010年2月版)】で解説したように、スーパーやデパートなどの商品売上構成は大きな変化を遂げている。かつて花形的存在だった衣料品は脇に追いやられ、食料品が過半数を占めるようになり、半ば「食料スーパー」状態となっている。
↑ 百貨店+スーパーにおける主要品目別売上構成比(再録)
この傾向は今回の調査結果にも現れており、総合スーパーの利用者に対して「スーパーに行く理由」を聞いたところ、8割以上が「食料品の調達」と答えている。
↑ 総合スーパーに行く主な理由(利用者限定)
店舗側の食料品拡充と、利用者の食料品需要の増加、どちらが先なのかはこのデータからだけでは判断できない。しかし衣料品や住関品が他の小売業種にお客を奪われ、一方で身近に手に入るメリットを最大限に活かせる食料品(食料品は購入頻度が高いので、近場で手に入る方が便宜性が高い)はむしろニーズが高まるといった形で、少しずつ内情が変化し、今回の結果のように「8割が食品目当て」というスタイルになったのだろう。
実際、アウトレットモールが浸透し始めたのは1990年後半から。ちょうどそのタイミングに合わせる形で衣料品の売り上げ構成比が落ち、食料品が増加し始めているのが確認できる。とはいえ、トップの座からは降りたものの、総合スーパーにおいてはまだまだ衣料品に対するニーズは大きい。第二位・第三位共に衣料品の部類が入り、「食料品以外では衣料品を調達するために総合スーパーに足を運ぶ」というスタイルなのが分かる。
かつてデパートや総合大手スーパーなどの花形だったイベント、アミューズメント施設の利用は少数派に過ぎない。「あればいいかな」というものであり、「これのために足を運びたい」と重要視する人はほとんどいないのが確認できる。
なお元資料では「20代以下の女性は、暇つぶしやウィンドウショッピングの項目が多い」とのコメントが添えられている。実数値までは確認できないが、興味深い動きといえる。彼女らが興味を持つもの(例えばコスメなど)の体験コーナーを配し、商品に対する興味関心を抱いてもらうと共に、(必然的にその場に長く留まることから)呼び水的な役割を果たしてもらう、という考えもありかもしれない。
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