育児負担、専業主婦は金周り・就業主婦は「環境」「復職」
2010/12/30 07:21
【持田ヘルスケア】は2010年12月20日、妊娠や出産、子育てに関するアンケート調査結果を発表した。それによると調査母体の女性において、「妊娠・出産・育児にあたり、困ったことや不安なこと」は、その女性の就業状態で大きな違いを見せることが分かった。専業主婦では「育児費用の負担」が最大の悩みの種だが、就業中は「仕事との両立」、産休・育休中は「仕事の両立」と共に「育児休暇後の復帰に関する悩み」が大きいことが確認できる。
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今調査は2010年7月23日から11月18日にかけて、インターネット経由で全国の男女5427人に対して行われたもの。男女比・年齢階層比などは非公開。
妊娠や出産、そして子育ては本人はもちろん周囲にとってもほほえましく喜ぶべきもの。しかし同時に、特に当人らにとっては不安となる要素も少なくない。回答者が抱える、あるいは想定できる「妊娠・出産・子育てにおいて、困った事・不安な事」を、選択肢の中から複数回答で答えてもらっているが、そのうち女性に限定し、さらに就業状況別に集計したのが次のグラフ。
↑ 妊娠・出産・育児にあたって困った事・不安な事(複数回答)(商業状況別・女性のみ・上位15位)
就業形態を問わず「育児費用」「自分の時間の束縛」は高い不安要因であることが分かる。
一方で就業形態別に傾向を見ると、当然の話ではあるが、専業主婦以外の就業主婦(休み中・現在も就業中)は「仕事との両立」がトップについている。1日は24時間しかなく、睡眠時間や就業時間を考えると、そのまま働き続けたのでは出産・育児の時間を十分にとるのは難しい。産休を取るのに加え、【「夫の家事手伝い時間が長い夫婦」ほど、さらに子供をもうける確率アップ】でも触れているが、夫側のサポートが欠かせない。
その他に特異な動きを確認すると、
・「近所にママ友達がいない」は「就業中」の回答率が低い
などが見て取れる。前者は育児における大きな社会問題「保育所の需要に供給が追い付いていない」「育児休暇を取得した社員に対する企業側の対応」を反映したものであり、後者は若年層世代の世帯数そのものの減少もあわせ、近所づきあいの難しさ・機会の少なさ・相談相手の不足がうかがい知れる(就業中なら、仕事場にいる女性に相談する機会が得られる)。
特に冒頭でも触れたが、産休・育休中の主婦にとって「育児費用」以上に「仕事との両立」「休暇終了後の仕事の復帰」など仕事周りの事、そしてやはり間接的に仕事周りにつながるが「保育園不足」が不安要素に挙がっているのは注目すべきポイントといえる。視点を変えれば、これらの要素が不安だからこそ、就業中の女性は「妊娠・出産・子育て」そのものを避ける傾向にある、と考えることもできるからだ。
子育て周り、果ては少子化問題に対する状況改善を模索するには、これら複合的な要素を考慮し、マイナス要因を一つ一つ取り除いていく方策が求められよう。
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