出産や育児で困る・不安事、トップは「育児費用が負担に」
2010/12/28 12:10
【持田ヘルスケア】は2010年12月20日、妊娠や出産、子育てに関するアンケート調査結果を発表した。それによると調査母体において「妊娠・出産・育児にあたり、困ったことや不安なこと」のトップ項目には「育児にかかる費用が負担になる」との意見がついた。景気動向を反映してか金銭周りの項目が上位を占めている。また男女別では全般的に女性の方が回答率が高く、不安度の高さがうかがえる内容となっている。
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今調査は2010年7月23日から11月18日にかけて、インターネット経由で全国の男女5427人に対して行われたもの。男女比・年齢階層比などは非公開。
新しい生命が息吹く妊娠・出産、そしてその命が育まれる子育ては、非常にめでたく、そして皆が祝福すべきもの。当人らにとっても同じではあるが、同時に不安となる事柄も少なくない。昨今の妊娠・出産・子育てにおいて、困った事・不安な事に挙げられそうな項目を提示し、当てはまるものについて複数回答で答えてもらったのが次のグラフ。
↑ 妊娠・出産・育児にあたって困った事・不安な事(複数回答)(上位10位)
もっとも高い回答率を得たのは「育児費用の負担」。この他にも冒頭で触れたように、「出産費用の負担」「妊娠健診の負担」など、経費負担の重荷が上位に顔を見せているのが分かる。新しい命が社会に仲間入りする際には費用は必要不可欠なものだが、それが保護者らの大きな負担になる(そこから生じる、育児そのものの敬遠傾向の増大化)のでは問題と言わざるを得ない。ただしこれらの費用においては公的補助の制度も複数存在しており、それを知らずに利用していない事例もある。主婦のコミュニティ(リアル、ネット共に)で情報収集をして、制度を使い倒す賢さを会得しよう。
また、男女差を見ると、絶対値で最大の差が開いているのは「自分の自由な時間が持てない」。「仕事との両立が難しい」もあわせ、夫婦間での時間的な負担は主婦の方が大きいことが分かる。夫が主婦の気持ちを推し量り、手助けを積極的に行うことで、負担が減り、安心して子育てが営める(積極的なサポートが子育てにポジティブとなることは、結果論的な数字だが【「夫の家事手伝い時間が長い夫婦」ほど、さらに子供をもうける確率アップ】として出ているほど)。
男女比の比率で見ると「近所にママ友達がいない」がトップ。若年層世代の世帯数そのものの減少もあわせ、近所づきあいの難しさがうかがい知れる。次いで「保育園に入れない・保育園が少ない」が上位となるが、需要に対し供給が追い付かない現状が分かる。
一方男性の回答率が高めなのは「いじめなど子供同士の関係」「学校の教育環境」など、子供が周囲と溶け込んでいく際に生じる社会的な人間関係に関する不安が大きい。またデータ上には詳細値は記載されていないが、男性の方が女性より唯一高い値を示した項目として「育児休暇はあるが、とりづらい」だったという。育児休暇は制度として存在していても、女性はともかく男性は他人の目や仕事のラインを考えると、取得しにくいのが現状。色々と難しい問題はあるが、企業側の工夫も求められそうだ。
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