小学生の携帯電話と携帯音楽プレーヤーの所有率
2010/12/27 19:30
[電通(4324)]などは2010年12月21日、小学生調査パネルを利用した「小学生のメディア接触調査2010」の実施結果のダイジェストを発表した。小学生のライフスタイルをかいま見られる興味深いデータが確認できるが、今回はその中から「携帯電話の保有状況」と「携帯音楽プレーヤーの保有状況」についてスポットライトをあててみることにしよう(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2010年9月5日から10日にかけて関東一都六県の小学生・その小学生の生活時間を把握している母親に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は600人。小学生が入力する場合は、「本人が」「保護者のサポートを受けながら」回答する。男女比は1対1、各学年毎に均等割り当て。
まずは携帯音楽プレーヤーの保有状況。中学生以上のデータは【学生だけなら過半数! デジタル携帯オーディオプレイヤーの利用経験率は3割以上に】や【平均586.3曲、大学・専門学校生は4ケタ台! デジタルオーディオプレイヤーの保存曲数】などにあるが、小学生のデータはあまり見受けられないだけに、貴重なものといえる。
↑ 携帯音楽プレーヤーの保有状況
全体では2割近くが携帯音楽プレーヤーを使用していると答えている。高学年になると保有率・使用率もグンと高くなり、とりわけ女子において大きく伸びているのが確認できる。女子の方が成熟で、この世代では女子の方が大人びた行動をすることに結び付いているといえる。
携帯電話も状況は似たようなもので、高学年・そして女子の方が使用・利用率は高くなる。
↑ 携帯電話の保有状況
高学年の自分専用機保有率が3割・家族との共有機保有率が5%強という値は、ベネッセが昨年提示した「ICTに関する調査結果」とほぼ一致しており、双方のデータの正しさを相互に補完しているのが分かる(【小中学生の携帯保有率は女の子の方が上、「家族と一緒のケータイだよ」は数%程度】)。
学年別携帯電話所有率(「小中学生の携帯保有率は女の子の方が上、「家族と一緒のケータイだよ」は数%程度」より再録)
詳細データは公開されていないが、資料のコメントからは「高学年女子が携帯電話を最もよく使っている時間帯は午後9時台の寝る前」とあり、子供が携帯電話を使う時間帯が、いわゆる「リラックスタイム」であることをうかがわせる。
今後両携帯デバイス、特に携帯電話の所有率はますます高まるものと思われる。それと共にフィルタリングの問題も大きな課題となる。物理的・ソフトウェア的に遮断するのも手の一つだが、同時に保護者をはじめ周囲の大人たちが積極的に見本を見せ、啓蒙・教示していかねばならない。「時間が無いから」「面倒だから」「自分も分からないから」とばかりに放置したり、他人に丸投げでは、単なる責任放棄に過ぎない。
人は生まれ持ってこれらの端末の使用方法や使用中の注意を知っているわけではない。誰かが教えて諭して理解させてあげなければ、自分自身の経験から学ぶしか手は無い。その過程で過ちを犯したり、間違ったことを覚えてしまうリスクは当然存在する。それを防ぐのも「先を行くもの」、大人たちの責務である。文化とは積み上げられたシステムであって、最初から個々人に備わっているものでは無いのだから。
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