二つの飾りで本当に「ミニ」なのが分かる広告
2010/12/27 07:16
イギリスからドイツへとベースとなる国が変わっても、その「小型乗用車」というコンセプトは変わるところなく継続されている、愛らしい自動車ブランド「ミニ(Mini、MINI)」。その小ささ、小回りの良さはセールスポイントの一つで、【「え、誰が買ったの?」と思わず注目してしまう「ゴミ」の広告】にもあるように、さまざまな形で広告のネタに活用されている。今回紹介するのもその一例で、二つの飾りを追加して街中に置くだけで「これは確かに小さいゾ」と街行く人たちに深くうなづいてもらえるプロモーションである(I Believe in Advertising)。
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↑ 商店街でお披露目中のミニ。そばに置かれているのは……
これは西インド諸島のドミニカ共和国で展開されたミニのプロモーション。同国では一連の車種シリーズの展開が今だ無かったため、ミニの特徴「とにかく小さくて小回りが効く」を強く印象づける必要があった。さらに展開時期がクリスマスシーズンということもあり、「大人向けの玩具」(クリスマスに街中にあふれるおもちゃのように気軽に乗りまわせる、という意味で)としてアピールすれば、相乗効果も狙うことができると画策。
そこでクリスマス時期には大いに賑わう商店街にミニを展示。その際に本体だけでなく、ミニのサイズに合わせたプロポ(ラジコン用のコントローラー)と、「quien quiere jugar?(スペイン語で「誰か遊ばない?」)」と書かれた専用の角型電池を横に配し、ミニがまるでラジコンカーのように演出した。
↑ 「何これミニカー?」多くの人が横切る際に、頭に疑問符を浮かべる
ミニは元々普通の自動車と比べても小さい部類ではあるが、そばにコントローラーを置くことで、観た人は普通の自動車では無くラジコンカーを連想してしまう。そして頭の中にぐるぐると小走りする「ミニ」が思い浮かばれ、「ああ、あのラジコンカーのように小さいのか」といかに「ミニ」が小さいのかを強烈に記憶に刻み込まれてしまうことになる。
さらにこのミニカーな「ミニ」を多くの人に観てもらえるよう、この通りを大勢の人が横切るように交通規制を実施。結果として数日後にはソーシャルメディアで多くの人が語るようになり、この都市の自動車向けラジオでも伝えられるようになり、多くの「ミニ」が販売されたという。
↑ 携帯電話で写真を撮り、自分のブログなどで紹介する人も
ちなみにプロモ付きで展示された「ミニ」だが、これ自身も欲しいという人が現れ、買い取られたとのこと。いわく「これで遊びたかったから」との話である。果たしてプロポと角型電池まで販売されたのか否かについては、元記事では語られていない。
アピールしたい商品が非常に大きかったり小さい場合、日常よく見かける素材をそばに置くことで比較対象とし、その大きさ・小ささをより鮮明にアピールすることができる。逆の状況だが先日紹介した【「比類無き大きさ」がひと目で分かるプロモーション】の場合も好例である(もっともこの場合、人を小さくすることはできないので、袋の方を大きくしてあるが)。今件はお披露目したい素材をそのままに、比較対象を大きくして目立たせることが可能なため、プロモーションには打ってつけのテーマともいえる。対象素材次第では、日本でも十分使える手法といえよう。
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