米若年層が携帯を欲しがる理由、トップは「テキストメッセージ」
2010/12/22 12:10
先に【諸外国では携帯選択に「価格」を一番重要視】でアメリカの調査会社ニールセンが2010年12月15日に発表した「世界8か国(アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、ロシア、ブラジル、インド、中国)の若年層対象の携帯電話に関する調査結果」の一部を元に解説をした。その調査結果の全文を先日入手したが、概要的には「一部」の部分でほぼ包括されていたというのが率直な感想。ただ、一点だけ触れておいた方が良い点を見つけたので、今回はそれをチェックすることにしよう(【Young and Mobile: A Global View of Cellphones and Youth】)。
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今調査は2010年の上半期に15-24歳の若年層を対象にオンラインと対面調査(ブラジル、ロシア、中国、インド)で行われたもので、サンプル数はアメリカが7万5000人、その他は5000-8500人。ブラジル、ロシア、中国、インドは都心部の一部地域での調査で、それ以外は全国を対象にしている……ではあるが、今回スポットライトを当てるのはアメリカの子供達のみ。よって7万5000人が対象。
「触れておいた方が良い点」とは、アメリカの子供達が携帯電話を所有する・欲する理由について。複数回答で聞いた結果が次のグラフ。元データでは1年前のものとの比較する形で掲載されていたが、ほとんど変移がないので2010年Q2のもののみで生成する。
↑ アメリカの若年層が携帯電話を所有する理由(2010年Q2)
トップの「テキストメッセージ」とは日本における「電子メール」の立ち位置に相当するもの。SMS(ショートメッセージサービス)の他に、最近では画像も送れるMMS(マルチメディアメッセージングサービス、Multimedia Messaging Service。電話番号当てだけでなく携帯メールアドレスにも送れる)も急速に普及しつつある。先の記事でアメリカの若年層が携帯電話を選ぶ時の最重視点として、第二番目に「QWERTY入力」を挙げていたが、これもテキストメッセージサービスを重視しているのと深い関係があるわけだ。
↑ 携帯電話を選ぶ際の最重要視ポイント(再録)
次いで多いのは「安全性」。元資料では「Safety」とあるので、「パソコンと比べたらセキュリティ上安全」というのと「自分自身の身に何かあった時にすぐに連絡ができる」の両方の意味を持つ(そして多分に後者)ものと思われる。このあたりの事情は日本と何ら変わりは無い。
続いて友達や家族とすぐに連絡できることや即時に利用できることなど、機動力の高さを高く評価していることがうかがえる。世間一般にイメージされやすい「友達が持っているから」「友達や家族のケータイを借りるのがイヤ。自分のが欲しい」という理由は比較的順位が低めであることが分かる(とはいえ1-2割ほどには達しているが)。
今データはもちろんだが、それだけでなく【挨拶や雑談が一番…米携帯のメールやりとりの中身】などからも、アメリカの若年層で携帯電話を使ったテキストメッセージのやりとりが非常に重要視され、まるで会話を楽しむかのような形で用いられているのが分かる。
具体的数字が一部しか挙げられていないのでグラフ化は断念したが、今資料では「13-17歳の若者は一か月で平均3339件のテキストメッセージのやり取りをしている」というデータも提示されている。単純計算すると1日111件で、ほぼ【子供は1日112件・米での大人と子供の携帯を使ったショートメールの使われ方の違い】に一致しており、アメリカの子供達の実情を示すデータとして改めて確証性が高まったといえる。送信受信が半分ずつとして1日約55件、起床時間を16時間として1時間に3.4件、絶えることなくテキストメッセージを送り続けるアメリカの子供達。まさに「会話するようにケータイで入力」という状況なのに違いない。
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