住宅ローン、固定と変動ほぼ同数・選択理由は…?

2010/12/19 07:03

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住宅ローンネットエイジアは2010年12月17日、住宅ローン選びについての調査結果を発表した。それによると調査母体においては、利用している住宅ローンについて、「固定金利」と「変動金利」を選んでいる人がそれぞれ3割強となり、ほぼ同比率であることが分かった。次いで固定金利期間選択型、固定・変動併用型が続いている。また、固定金利を選んだ最大の理由は「金利が変わらず計画が立てやすい」とするもので、9割近くの人が同意を示している(【発表リリース】)。



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今調査は2010年10月29日から11月2日にかけて、携帯電話によるインターネット経由で、20歳以上・15年以内に自分名義で住宅ローンを組んだ人に対して行われたもので、有効回答数は550人。男女比・年齢階層比は非公開。

現在市場金利に合わせて住宅ローンの金利も最低水準にあり、借り手としては非常に借りやすい状況にある。また、【住宅ローン 借り換えしない その理由 一番なのは「手続き面倒」】にもあるが、一度借り入れ・組んだローンを借り換えするのは面倒などの理由で、少々のメリットがあっても手続きの変更をしない傾向が強い。

今調査母体は住宅ローンを有している人たちだが、それでは具体的にどのような金利タイプで借り入れをしたのだろうか。

↑ 利用している住宅ローンの金利タイプは
↑ 利用している住宅ローンの金利タイプは

完全な固定金利タイプが34.2%・変動金利タイプが32.4%とほぼ同数。そして固定金利期間選択(一定期間は固定金利、その後は各種契約によって様々な。変動金利・固定金利を選べるもの、初めから変動金利への変更が決まっているものなどがある)が21.3%、固定・変動併用型(景気動向などに合わせて固定型・変動型を自由に選択できる)が12.2%。どのパターンが有利かは市場情勢や契約内容によって違ってくるため、一様に「これがベスト、あとはダメ」というものは存在しない。

各タイプを選んだ人は、どのような理由でその金利タイプを選んだのか。「固定金利」と「変動金利」について聞いた結果がこちら。まずは「固定金利」。

↑ 住宅ローンの金利タイプに固定金利タイプを選んだ理由(複数回答)
↑ 住宅ローンの金利タイプに固定金利タイプを選んだ理由(複数回答)

「計画立案がしやすい」とするところが一番多く、実に9割近くの人が答えている。金利変動がなければ、同じ金利で最後まで(予想無しに)計画を立てられるのだから、これほどはっきりとしたものは無い。市場動向なども気にしなくて済むので、第二位の「金利が変わる(主に上がることによる)のが不安」などという恐れも無くなる。

金利上昇は支払いの負担増にもつながる。将来収入アップが見込めるのならそれでも良いが、収入に変化が無い、あるいは減収の可能性も考えられるのなら、金利上昇は非常に大きなリスク要素となる。第三位の「将来の収入アップが見込めない」は間接的に第二位と同じ理由に行きつくと考えてよい。

一方「変動金利」選択者の理由。

↑ 住宅ローンの金利タイプに変動金利タイプを選んだ理由(複数回答)
↑ 住宅ローンの金利タイプに変動金利タイプを選んだ理由(複数回答)

最多回答理由は「金利が低いままだから変動金利でOK」とするもの。一般に景気回復時には金利も上昇し、負担も重くなる。住宅ローンの返済は何年、何十年にも渡るため、ロングスパンでの見通しが求められる。変動金利を選んだ人の多くは、今後中長期に渡り景気回復が見込めず、この低金利のまま、あるいはさらに金利が下がる可能性を考えていることになる。

また、当初の返済額が低いのも特徴の一つ。これも「支払いを開始した直後は収入も少ないし負担は少しでも小さい方が良い」とするニーズに答えているものだ。



実際には住宅ローンの仕組みはもう少し複雑で(固定金利は設定時点での総金利は変動金利より高いなど)、契約によって条件が色々と異なるなど、注意が必要となる。

一方、固定金利・変動金利いずれを選んだ人においても、短期での景気回復・金利上昇は見込めないことを前提にした回答がもっとも多いのが気になる。固定金利は自分自身の収入面で、変動金利は市場金利動向の視点から「景気回復はしばらく無いネ」と判断したが故の選択ということになる。色々と複雑な気分にさせられるのは当方だけだろうか。



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