諸外国では携帯選択に「価格」を一番重要視

2010/12/19 07:06

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スマートフォンアメリカの調査会社ニールセンは2010年12月15日、世界8か国(アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、ロシア、ブラジル、インド、中国)の若年層を対象とした携帯電話に関する調査結果の一部を発表した。各国の携帯電話事情をかいま見れる興味深い内容なので、今回はそれをのぞいてみることにする(【Young and Mobile: A Global View of Cellphones and Youth】)。



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今調査は2010年の上半期に15-24歳の若年層を対象にオンラインと対面調査(ブラジル、ロシア、中国、インド)で行われたもので、サンプル数はアメリカが7万5000人、その他は5000-8500人。ブラジル、ロシア、中国、インドは都心部の一部地域での調査で、それ以外は全国を対象にしている。

若年層の多くは携帯電話購入時に自分自身が選ぶとしており(5-7割)、両親が選ぶと回答したのは全体で16%だけだった。また、機種を決める際に最重要視するポイントはほとんどの国が「価格」。【スマートフォン いまだに買わぬ その理由 「値段が高い」が半数を超え】の調査データを思い起こさせる。ただしロシア・中国は「価格」(だけ)がトップというわけではなく、各国の携帯電話に対するこだわりの違いや、お財布事情の差異を感じさせる結果が出ている。

↑ 携帯電話を選ぶ際の最重要視ポイント
↑ 携帯電話を選ぶ際の最重要視ポイント

携帯電話、あるいはモバイル端末全体の中でのスマートフォンの浸透率だが、ヨーロッパ全体では25歳以上で27%、今調査母体対象となる年齢層では28%が該当する。携帯電話保有者の3割近くはスマートフォンユーザーという状況なわけだ。

↑ 所有携帯電話はスマートフォンか否か(15-24歳)
↑ 所有携帯電話はスマートフォンか否か(15-24歳)

イタリアでは実に5割近くがスマートフォン化している。ただし25歳以上は31%。また、アメリカでは25歳以上は28%なのに対し、若年層は33%。若年層の間でスマートフォン熱が高まっている事が分かる。

またインドの浸透率が低めだが、一番初めのグラフにあるように、スマートフォンの低価格化(恐らくはiPhoneよりもアンドロイドによるところが大きいだろう)が進めば、この数字は大きく伸びる可能性が高い。そして人口比を考えれば、世界におけるスマートフォンの飛躍のトリガーになる可能性を秘めている。

最後にスマートフォン保有率の男女比。これはアメリカ以外では男性の方が高い。

↑ スマートフォン所有者の男女比
↑ スマートフォン所有者の男女比

個々の国の文化の違いや、全体としての浸透率の差異(ギミック色が強い、デジタル系のアイテムは仕事などの関係もあり男性から普及する傾向がある)がそのまま出ていて興味深い。なお唯一男女比が逆転しているアメリカでも、全体としての比率は男性55%となり、男性の方が保有率が高い結果が出ているとのこと。



やや余談だが、二つ目のグラフでイタリアの若年層でのスマートフォン普及率が異様に高い件について。元資料には何の解説もないが、可能性としては【インターネットと携帯電話の普及率を世界の他国と比べてみる】で解説した「SIMカード利用が普及していて、携帯電話本機の乗り換えが気軽に行えること」に一因があると思われる。

サッカーさらにもう一つの理由として考えられるのが、【欧州編(6)欧州のスマートフォンブーム】で解説されているが、「ラテン系諸国のユーザーは『おしゃべり』が好きなので音声通話やテキストメッセージだけでなく、ブラウザからのアクセスやビデオフォンを好む傾向が強い」「ブラウザからの出会い系サービスへのアクセスを好む傾向がある」「サッカーの途中経過・結果を知るために、スマートフォン経由でパソコン向けのサイトを閲覧している」など、いわゆる「明るく陽気でアクティブなラテン色」を反映した結果とするものだ。

確かにイタリア以外にスペイン・イギリス(こちらはラテンではないが)各国ともサッカーが盛んな国でもある。仮に今調査でブラジルやチリなどが加わっていれば、その仮説も強固に裏付けられたに違いない。



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