女性誌に掲載の商品へのイメージ影響力はテレビ以上?
2010/12/14 07:14
【大日本印刷(7912)】とその子会社のエムズコミュニケイトは2010年12月13日、女性誌の女性に対する影響力に関する調査結果の一部を公表した。それによると調査母体(若年女性)においては、女性誌を3か月以内に購入した経験がある人は45%に達していたことが分かった。また読む人にとって女性誌は「掲載商品のイメージアップ」や「ライフスタイルへの影響」において、大きな効用があることが確認されている(発表リリース)。
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今調査は2010年3月にパソコン(PC)・携帯電話を利用したインターネット経由で15-34歳の女性に対して行われたもので、有効回答数は4000人。年齢階層比は非公開。
女性向けの雑誌といえば一般芸能情報誌、育児誌、料理関係誌など多種多彩なジャンルのものが発売されている。当サイトでも定点観測的に主要雑誌の印刷(≒販売)動向を確認しているが、最新の【週刊現代とプレモがなぜか…その他色々な雑誌部数の変化(2010年7-9月データ)】を見る限り、「育児誌」「食や料理を中心とした総合情報誌」においてはあまり調子は良くない。
実際、今件調査母体においても、「3か月以内に」1冊以上買った人は45%。半数以上は1冊も買っていない計算になる。女性誌も週刊誌・隔週刊誌が多いが、仮に月刊誌を定期購読していたら買っていなければならない最低冊数の「3冊」を超える人は、わずかに2割でしか無い。
↑ 3か月以内に購入した女性誌数
今調査がインターネット経由のため、多少媒体による偏りがあることは否めない。しかしそれでも「月刊誌」と仮定した場合においてですら、2割でしかないこと、そして何よりも「女性誌を買わない女性が過半数に達している」という事実は、少々ショックといえる。
しかしその一方、購入者にとっては女性誌は他のメディアとは違う「特別なポジション」にあることも確認されている。次のグラフは主に商品そのものと商品情報に関して、主要メディアが有益なものであるか否かを聞いた結果。「女性誌」が特異な傾向を見せているのが分かる。
↑ 女性誌購入者における各メディアに対するイメージ(複数回答、女性誌購入者限定)
「女性誌を購入している」という縛りはあるが、女性が持つ各メディアと商品との関連性のイメージ、どのメディアを商品購入・情報収集の際に活用しているかが良く分かる。それぞれをざっとまとめると、
・テレビ……詳細情報以外はオールマイティな影響力。特に他人との会話のネタには欠かせない。
・インターネット……新情報、詳細情報など能動的情報系に強い。
・新聞やフリーペーパー……新聞の信頼性は高いままだが、それ以外は他メディアに大きく後れを取っている。
という形になる。
購入者が半分以下なので「全体として考える場合」公知度が他メディアより下がる(購入者が45%であることを考えれば、ほぼ常用しているテレビやインターネットと比べる際には大体半分で概算する必要があろう)のが難点。しかし特性をうまく使いこなせば、他メディアの弱点を補完するものとして有効な使い方ができるに違いない。
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【週刊現代とプレモがなぜか…その他色々な雑誌部数の変化(2010年7-9月データ)】
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