【更新】紙の新聞やテレビはほぼ均等、けれどネットは…米年収別ニュースソースの相違

2010/12/06 07:21

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新聞とインターネットアメリカの調査機関PewResearchCenterは2010年11月24日、アメリカ人のインターネットなどをはじめとするオンライン環境と年収に関する調査結果【The Better-Off Online】を発表した。高年収の世帯ほどインターネットの環境が整っていることは容易に想像できるが、その現状を数字の上から確認できる貴重なデータといえる。今回はその中から、主要なニュースの情報源の利用状況と年収との関係についてグラフ化を試みることにする。



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今調査のうち今件該当部分は2009年12月28日から2010年1月19日にかけて、アメリカ国内に在住する人に対してRDD方式によって選ばれた人に対し、電話によるインタビュー形式で行われたもので、今件データ部分の有効回答数は1891人。サンプルの誤差はプラスマイナス2.5%元データの詳細は【The State of the News Media 2010, An Annual Report on American Journalism - Presented by Journalism.org】に掲載されている。

高収入ほどインターネットの環境の普及率が高いのは、すでにお伝えした通り。

↑ 年収別インターネット環境普及率(米、2010年8月-9月)
↑ 年収別インターネット環境普及率(米、2010年8月-9月)(再録)

また全体として、ニュースメディアにおいては紙媒体の新聞やラジオの利用率が減少し、インターネット経由のものが増加を見せているのは、以前【新聞が最下位へ・アメリカ人が利用する主要なニュースメディア推移】で解説している。

↑ ニュースを取得するために昨日接触したメディアは?(複数回答)
↑ ニュースを取得するために昨日接触したメディアは?(複数回答)(再録)

それでは年収別では、ニュースソースの使い方はどのように違いを見せるのか。その結果が次のグラフ。元々インターネット環境が「高収入ほど高率」という前提もあるためか、当然ながら「オンラインニュース」は所得による格差が大きく出ている。

↑ 年収別ニュースソース(米、2009年12月-2010年1月)
↑ 年収別ニュースソース(米、2009年12月-2010年1月)

「新聞が最下位へ・アメリカ人が利用する主要なニュースメディア推移」で、テレビはニュース取得元として相変わらず高い人気を誇っているどころか、最近では逆に人気を底上げしている感すらあることを伝えた。今データを見ても、テレビは地方・全国区を問わず、そして年収の区別なく、多くの人にニュースソースとして用いられているのが確認できる。

一方新聞はといえば、全国紙より地方紙の方が購読率は高く、しかしそれでもテレビと比べると随分と下。そして全国紙になると1-2割程度でしかない。全国紙は多少ながらも「高所得者ほど利用率が高い」という傾向が見られる。

そしてオンラインニュースになると、インターネットの普及率の違いも相まって、年収別の差異が大きく表れている。オンラインでニュースを見たくとも、見る環境が無ければ閲覧は出来ないのだから仕方がないが、所得差による「情報格差」がインターネット周りでは起きやすいことの裏付けにもなってしまっている。



利用者やや余談かもしれないが、関連する話として。アメリカの報道などに目を通すと、失業者や低所得者が公立図書館そのものや併設している職業案内コーナーに通い詰め、用意してあるインターネット環境を活用し、職を探したり情報を取得しているようすをレポートした記事を、しばしば見つけることができる(参考:[Employment Resource Centre])。使い方を知っている・知らないというレベルの話ではなく、(使える技術はあるが利用端末を)所有している・していないレベルでの格差を是正する手法としては、決して悪くは無い話といえよう。



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