【更新】男女で、そして世代で異なるiPhoneのアプリ利用傾向
2010/12/07 12:10
【NTTドコモ(9437)】の100%子会社のドコモ・ドットコムは2010年12月1日、スマートフォンの利用実態調査の一部を公開した。それによると調査母体のうちiPhoneユーザーにおいては、もっとも多くの人がダウンロードしている無料のアプリのジャンルは「ゲーム」であることが分かった。約8割の人が無料ゲームアプリをダウンロードしている。そして、例えばニュースは女性より男性が、グルメやレシピは男性より女性が利用率は高いなど、男女別での違いが確認できる。さらに男女それぞれにおいても、世代間で利用率に差を見せる種類のアプリを、多数見出すことができる([発表リリース、PDF])。
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今調査は2010年9月3日から6日にかけて、全国の20-59歳の「Xperia」「iPhone3G」「iPhone3GS」「iPhone4」いずれかの端末を利用しているユーザー(併用者は除く)に対してパソコン利用によるインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2450人。今回はiPhoneにスポットライトを当てるので、そのうち2200人が対象になる。男女比は6対5、年齢階層比は20-40代がそれぞれ600人(男女300人ずつ)、50代が400人(男性300人・女性100人))。
スマートフォンの有益性を何倍にも高めてくれるのが、多種多様のアプリケーションこと「アプリ」。【スマートフォンの魅力は「アプリ」「どこでも使える」、では今後期待したいことは?】でも挙げられているが、スマートフォンの魅力はこの「豊富なアプリ」が「何処ででも」使える点にある。
それではスマートフォンの代表機種であるiPhoneにおいて、無料のアプリはどのようなジャンルが利用されているだろうか。複数回答で利用しているものを片っ端から挙げてもらったのが次のグラフ。
↑ iPhoneユーザーがダウンロードしている無料のアプリのジャンル(複数回答)(再録)
「ゲーム」が圧倒的に多く81.8%。次いで「交通・ナビ・旅行」の65.2%、「天気」が64.4%と続いている。
この結果を男女別で組み直したのが次のグラフ。「ゲーム」を除くと男女でアプリの好みに色々と違いがあるのが分かる。
↑ iPhoneユーザーがダウンロードしている無料のアプリのジャンル(複数回答)(男女別)
「ゲーム」の人気は男女共通。しかし第二位から男性は「天気」・女性は「交通・ナビ・旅行」となり、違いを見せている。大きな差異があるのを挙げると、男性は「天気」「ニュース」「AR」「ショッピング」「電子書籍」「ビジネス」で、女性は「グルメ・レシピ」「健康・医学・ダイエット」「占い」で、それぞれ異性を大きく上回る結果が出ている。それぞれの性別の個性、あるいはスマートフォンでの活用スタイルが透けて見えて興味深い。
●同じ性別内でも年齢で……
男性・女性それぞれ同じ性別内でも、世代・年齢階層によってアプリの利用性向に大きな違いを見せる種類がある。下のグラフは男性の年齢階層別数値のうち、歳を経るほど利用性向が高まるもの(左)、若年層ほど利用されているもの(右)を集約したもの。
↑ iPhoneユーザーがダウンロードしている無料のアプリのジャンル(複数回答)(男性で特異な動きを見せるジャンル)
主にエンターテインメント性の低い、実用向けなアプリの多くが壮齢者ほど利用率が高まりを見せる。逆にエンタメ性の高い「ゲーム」と「スポーツ」は若年層ほど多く使っている。昨今話題の「電子書籍」は40代を過ぎると急激に利用率が高まるあたりは注目に値する(一般的なイメージだとむしろ若年層の方が利用しているように思えるのだが)。
女性の場合は男性ほど世代間格差が生じる項目は多くない。
↑ iPhoneユーザーがダウンロードしている無料のアプリのジャンル(複数回答)(女性で特異な動きを見せるジャンル)
注目したいのは「健康」の項目。男性は歳を経るに連れて利用率が高まる傾向を見せていたのに、女性は逆に高齢ほど減る傾向にある。該当しそうな代替項目が見つからないが、健康関連の情報を何かに置き換えているのかもしれないし、単にアプリ絡みでの健康ツールで中堅層以上の女性向けのものが見つかりにくいだけなのかもしれない。
スマートフォンは従来の携帯電話以上に、動かすソフト(アプリ)次第でさまざまなツールになりうる。そして利用者のニーズにあったツールが使われることを考えれば、男女別、世代別で良く使われるアプリが異なるのは当然の話といえる。
逆に考えれば今件のアプリの利用傾向から、少なくともiPhoneにおいてそれぞれの属性を持つ人が、どのような利用方法をしているのか・どんな使い方でiPhoneを使いこなしていきたいのかがおぼろげながら見えてくる感はある。アプリを開発する人は、このようなデータも参考にしながら仕様を定めていくと、より多くの人に楽しんでもらえるものが作れるに違いない。
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