40代男性の過半数が「居眠り運転事故」を起しそうになったと自覚
2010/11/28 19:30
ソニー損害保険は2010年11月25日、自動車の利用状況に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、自動車運転の際に危うく起こしそうになった事故として「追突事故」がもっとも多く、ほぼ三分の一の人が「経験あり」と回答していることが分かった。次いで「自転車との事故」「居眠り運転による事故」が続いている。また40代では過半数の人が「居眠り運転で事故を起こしそうになった経験」を持つと回答しており、十分に注意を要する結果が出ている(【発表リリース】)。
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今調査は2010年10月8日から12日にかけて、自家用車を所有し、月に1回以上自動車を運転する18-59歳の男女に対し、インターネット経由で行われたもので、有効回答数は5000人。男女比は1対1、年齢階層比は10代プラス20代・30代・40代・50代の4区分で均等割り当て。
先日【一般道での後部座席のシートベルト着用率、33.1%に留まる】で触れているように、後部座席でのシートベルト着用率はまだ低い値に留まっているものの、交通事故を起こしても被害が最小限に留まるように仕組みは日々技術が積み重ねられ、啓蒙が行われている。しかし一番求められているのは、運転手が事故を起こさないように注意することに他ならない(もちろん運転手が注意を払っていても事故が起きることはありうる)。
それでは実際の事故には至らなかったものの、運転手本人が「これは危なかった」とばかりに事故を起こしそうになった経験は、どのような事故に対してどれほどあるだろうか。
↑ 危うく起こしそうになった事故(複数回答)
一番多かったのは「追突事故」で33.1%。次いで「自転車との事故」「居眠り運転による事故」「雨天・路面凍結によるスリップ事故」が続いており、この4項目が上位を占めている。5位以降はややポイントが下がっているのが分かるし、具体的項目名を読みなおせば、自分自身にも思い当たる節がある運転手の人も多いはず。
気になるのは年齢別の動向。元資料では男性区分のしかないが、これを見ると上位陣ではすべて20代から40代にかけて上昇傾向が確認でき、40代がもっとも経験率の高い年齢階層となっている。
↑ 危うく起こしそうになった事故(複数回答)(男性のみ、年齢階層別、上位5位まで)
この傾向についてリリースでは「疲労がたまった状態や睡眠不足のまま運転をしている人が多いのではないかと推測されます」とある。疲労蓄積度について今調査では設問がなく、直接の関係性までは裏付けが取れないが、十分な理由となる説明ではある。
そしてもう一つ気になる動き「なぜ50代では減少傾向を見せているのか」についてだが、こちらは説明が無い。単純に「40代より50代の方が疲れが取れているからではないか」という考え方もありだが、むしろ「自覚していない」可能性について考慮したい。
つまり今件はあくまでも「運転手本人が『起こしそうになった』と自覚している割合」であり、「第三者の目から客観的に見た『起こしそうになった』割合」ではない。実際の事故リスクは(疲れ以外に体力や反射神経、各種器官の能力低下により)上昇しているかもしれないが、本人の自覚が減退しているため、数字上では減っているように見えるというものだ。
これは仮説にしか過ぎず、それを裏付ける数字は今調査にはない。しかしながら「もしかすると」と思い当たる節のある本人、あるいは周辺の人がいたら、改めて注意する・うながすようにしてほしいものだ。留意をするだけでも、リスクはかなり違ってくるはずなのだから。
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