商品などのお勧め情報、ブロガーが一番信用するのはブログ自身でもニュースサイトでも新聞でも無く…
2010/11/28 07:27
ブログを中心にデータを収集し分析をしたり、ブログを検索対象とする検索エンジンサービスを提供するTechnoratiは2010年11月3日から、最新のブログ事情を分析・統計した結果を発表するカンファレンス「State of the Blogosphere」の今年版の資料を公開している(State of the Blogosphere 2010)。ブログの現状を色々と推し量れる、貴重なデータが豊富に盛り込まれているのだが、今回はその中から「消費者としての立場からの各メディアへの信用性」について見ていくことにする。
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「State of the Blogosphere 2010」では市場調査会社Penn Schoen and Berland Associatesによって7205人のブロガー(ブログを書き込み、運営する人)を対象に2009年9月21日から10月8日にかけてインターネット経由で行われたもの。そのうち64.1%は自分の趣味などを目的にブログを行っている「自己満足派(Hobbyists)」。13.5%は自分の専門知識を披露して本職のサポートや宣伝に活用したり収入の一部を賄う「副業派(Part Timer)」。1.0%は社内などで業務としてブログを展開する「業務派(Corporate)」。そして最後の21.3%は「プロのブロガー(Self Employed)」。
ブロガーは情報を創生し、あるいは再編集し、第三者に提供するクリエイターであるが、同時に商品やサービスを購入する消費者でもある。自分自身の消費者としての立場から、そして「一般消費者全体がどの情報源からの情報を信頼している」と考えているのかが一つ。そしてブロガーの立場から見た場合、どの情報源の情報からなら信頼し、自分のブログなどでお勧めできるのかについて聞いた結果が次のグラフ。「情報」の信頼性について微妙な考えを抱いていることが分かる。
↑ 消費者が信頼している(と考える)情報源/お勧め時に信頼する情報源
回答率順では無く、ある程度同じ属性の項目が並ぶような形でのグラフとなっているため、数字の並びが多少見づらいかもしれない。しかしいくつかの特徴を見出すことができる。
・ツイッターの情報は商品の紹介などではあまり信頼されていない。
・ブログの記事はFacebookにおける友人の立ち位置に近く、オンライン系の情報源の中ではかなりの高信頼度を得ている。
・既存媒体、およびそれに連なるインターネット系のサービスへの信頼度は一様に高い。
・一番信頼されている情報源はリアルの友達や家族である。
リアルでその内情を知っている人のFacebookのアカウントによる情報は、インターネット上においてはウェブポータルサイトのそれにほぼ等しい値を示している。ブロガーがいかにデジタル系のツールに傾注していても、最終的には自分自身の経験によって得た情報こそが、もっとも信頼できると認識している裏付けでもある。
逆にツイッター周りは一様に信頼性が低く、日本では「つぶやき」と訳される発言(書き込み)に対する重みの限界を感じさせる。「承認済みアカウント」でない限り、そのアカウントの持ち主が本人であるか否かを特定するのが難しい事、有名人でなくともそのアカウントの人と成りを判断する材料に乏しいことが原因だろう。
なお元資料にはこの他に「自分が購入する際に信頼しうる情報源」についても尋ねているが、テレビとウェブポータルがやや下がっている他は、上記のグラフと大きな変化は無い。他人に勧める時も、自分自身で購入する際も、信頼できる情報源に大きな差異はないということである。当然と言えば極めて当然な話ではあるのだが。
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