閲覧時間で「ソーシャルメディア>>ブログ」なブロガー行動
2010/11/25 19:30
ブログを中心にデータを収集し分析を行うと共に、ブログを検索対象とする検索エンジンサービスを提供しているTechnoratiは2010年11月3日から、最新のブログ界隈の事情を分析・統計した結果を発表するカンファレンス「State of the Blogosphere」の今年版の資料を公開している(State of the Blogosphere 2010)。ブログ世界の現状を大まかに読み取ることができる、貴重なデータが豊富に盛り込まれた、非常に貴重なレポートである。今回はその中から、「ブロガーのデジタル系アイテムやメディア周りの一般行動傾向」について見ていくことにする。
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「State of the Blogosphere 2010」は市場調査会社Penn Schoen and Berland Associatesによって7205人のブロガー(ブログを書き込み、運営する人)を対象に2009年9月21日から10月8日にかけてインターネット経由で行われた調査結果をもとにまとめ上げられたもの。調査対象母集団のうち64.1%は自分の趣味などを目的にブログを運用している「自己満足派(Hobbyists)」。13.5%は自分の専門知識をアピールして本職のサポートや宣伝に活用した、または収入の一部を賄う「副業派(Part Timer)」。1.0%は社内などで業務の一環としてブログを展開する「業務派(Corporate)」。そして最後の21.3%は「プロのブロガー(Self Employed)」。
まずは週当たりのブロガーの平均行動時間。パソコン周りのソフトを使う機会が多いこともあり、パソコン(PC)上でアプリケーションを使用する時間が22.1時間ともっとも長くなっている。平均で1日当たり約3時間。
↑ 週何時間くらい次の行動をしているか(一般行動)
興味深いのは用意された選択肢の中では「Facebookやツイッターなど(ブログ以外の)ソーシャルメディアの閲覧」が第二位に入っていること。以前、ブログ執筆時間が減った人にその理由を聞いた際、第二位に「ツイッターなどのミニブログに」第三位に「ソーシャルメディア(※ブログ以外、大概としてはFacebookを意味する)」に時間を取られて、という結果が出ていた。
↑ なぜ昔と比べて更新頻度が減ったのか?(ブログ更新頻度で「昔と比べて更新頻度が減った」と答えた人限定、複数回答)(再録)
更新頻度の減少・増加は別として、純粋に傾注平均時間を見ても、ツイッターやFacebookの利用時間がブログ、さらにはテレビ以上に長い実態を見ると、やはり「(少なくともブロガーにおいては)メディアの注目はソーシャルメディア、特にツイッターやFacebookに集まりつつある」と考えて問題は無い。
また、「新聞」「雑誌」は実媒体よりネット上、「テレビ」「ラジオ」は実媒体で視聴する方が長いという結果が出ている。これはひとえに「ながら行動」がしやすいか否かで差が出ていると言えよう。テレビを見ながらインターネットでの作業は可能だが、雑誌を見ながらでは難しい。ならばウェブ上に展開させておいて、ちょっと気晴らしに閲覧できるようにしよう、と考えてもおかしくは無い。
●タブレットPCやスマートフォンはブロガーの行動をどのように変えていくか
続いてモバイル系端末では飛躍的な浸透を続けているタブレットPCやスマートフォンでの行動について。
↑ 週何時間くらい次の行動をしているか(タブレットPCかスマートフォンの利用で)
パソコンと比べれば利用できるアプリケーションソフトが少ない事もあってか、「アプリケーション使用」と「Facebookやツイッターなど(ブログ以外の)ソーシャルメディアの閲覧」が競った状態となっている。そして「ブログ閲覧」との差異が大きく開いているのが分かる。日本の事例だが【スマートフォン、買った理由は「PCサイトを見たい」「色んなアプリを使いたい」。では利用しない理由は……!?】でも購入した理由のうち最多回答項目は「パソコンのウェブサイトを閲覧したい」であり、今件の結果も理解できるというもの。
今件データはあくまでもブログを運営する人に限ったものであり、社会全体の行動と比べるとやや異なった傾向を見せている。例えばソーシャルメディアの利用時間は9.9時間/週とあるが、アメリカ全体の平均利用時間は5.5時間/週とのことである(元資料から)。
今回スポットライトを当てた部分でもっとも注目すべきは、やはり「ブログ閲覧時間より、Facebookやツイッターなどのソーシャルメディア閲覧時間の方が長いこと」。この傾向は今回グラフを省略したが、「自己満足派」「プロブロガー」という両極端の区分で顕著に表れている。他の調査項目でも(足を洗うことはないものの)ブログから多少なりとも距離をおく傾向があちこちで見受けられるため、今後、具体的には来年以降の「State of the Blogosphere」でどのような変移を見せるのか、非常に気になるところではある。
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