ブログ作成時間 6割は1日30分未満
2010/11/22 06:41
先行記事でも触れたように、ブログを中心にデータを収集し分析をしたり、ブログを検索対象とする検索エンジンサービスを提供するTechnoratiは 2010年11月3日から、最新のブログ事情を分析・統計した結果を発表するカンファレンス「State of the Blogosphere」の今年版の資料を公開した(State of the Blogosphere 2010)。ブログの現状を垣間見れる、貴重なデータが豊富に盛り込まれているのだが、今回はその中から、ブログ運営者が気になるであろう「ブログの作業にどれくらい時間をかけるのか」に関するデータを見ていくことにする。
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「State of the Blogosphere 2010」では市場調査会社Penn Schoen and Berland Associatesによって7205人のブロガー(ブログを書き込み、運営する人)を対象に2009年9月21日から10月8日にかけてインターネット経由で行われたもの。そのうち64.1%は自分の趣味などを目的にブログを行っている「自己満足派(Hobbyists)」。13.5%は自分の専門知識を披露して本職のサポートや宣伝に活用したり収入の一部を賄う「副業派(Part Timer)」。1.0%は社内などで業務としてブログを展開する「業務派(Corporate)」。そして最後の21.3%は「プロのブロガー(Self Employed)」。
ブログの作業(事前調査や考察、記事執筆や素材加工、校正、各種メンテナンスなど)にどれくらいの時間をかけるのか、週単位の時間で尋ねたところ、全体では「1-3時間」という回答がもっとも多かった。概算すると1日あたり10分-30分程度ということになる。
↑ 週平均ブログにどれくらい時間をかけるか?
せっかくなので去年の記事で紹介した2009年のデータを併記してみた。「1週間に3時間まで」の区切りで考えると60%。概算だが「1日30分未満の人が6割」ということになる。趣味趣向をメインとしたもの、日記代わりにブログを使っている人は、割ける時間もこのくらいのものだろう。また、昨年のデータと比較すると、明らかに充当する時間が減少しているのが分かる。ツイッターやFacebookなど、もっと気軽に意思表示ができるソーシャルメディアにつられる形で、傾注時間が少なくなっているのだろうか。
ブログ・管理人のタイプ別で見ると、かなりの差異が見られる。
↑ 週平均ブログにどれくらい時間をかけるか(管理者・ブログのタイプ別)
ぱっと見で分かるのは、いわゆる「自己満足派」の時間が短めであること。最多階層が「1-3時間」であり、「3時間未満」で区切ると実に66%に達する。次に「副業派」の時間が短めで、こちらは「1-10時間」の層をボリュームゾーンととらえることができ、この層だけでやはり6割に達している。
他方「業務派」「プロブロガー」は他の層とやや違った傾向を見せている。「プロブロガー」は前述2派と比べてやや分散している傾向があり、同時に長時間傾注している人の数も少なくない。さらに「業務派」は4人に1人近くが「40時間以上/週」、つまり「1日約6時間以上」ブログの作業に費やしている計算となる。「プロブロガーの時間分散、注力時間の減退(システム化の進行か?)」「業務派の時間増加(人数比率そのものは減退しているので、これまでささいな情報を伝えていたグループはFacebookやツイッターなどに移行し、詳細部分を伝えるグループがブログに残ったがため、長時間を費やすことになった可能性)」が両グループの去年と比較した変移的特徴といえる。
ブログは作業時間をかけるだけで良い、というわけではない。しかし、ブログそのものや管理人の性質は、ブログの作業時間にも大きな影響を与えるということが、改めて確認できるデータといえよう。また、繰り返しになるが、ツイッターやFacebookなどのよりシステム化・カスタマイズ化されたソーシャルメディアの普及により、ブログの立ち位置そのものが変移を見せている片鱗が見えてくるデータであるともいえる。
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