男女で異なる大学生の就労不安
2010/11/22 12:10
明治安田生活福祉研究所は2010年11月8日、大学生を対象にした、大学生活や就労、結婚・出産、社会に対する意識などのアンケート調査結果を発表した。それによると調査母体においては、就職を果たして仕事をするにあたり、不安に覚えていることのトップ項目には女性が「職場での人間関係がうまくいくか」が、男性は「うまく仕事ができるか」がついた。その他の項目でも男女別では男性が金銭面、女性では就労環境面において、やや強い不安を覚える傾向が見えている(【発表リリース】)。
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今調査は2010年6月16日から18日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は4120人。男女比は1対1、学生回答比は1年・2年・3年・4年で均等割り当て。
アルバイトなどで就労の経験がある人ならともかく、多くの人には卒業後に勤める会社が「はじめての仕事」となる。一日の生活時間の多くを学生として過ごしてきたこれまでに対し、これからは会社での就労がほとんどとなるため、まるで別世界に足を踏み入れる気持ちになるはずだ。当然、新しい環境に対する期待と共に不安も一杯のはず。そこで仕事をするにあたっての不安について、用意された選択肢の中から二つまでを選んでもらった結果が次のグラフ。男性は「うまく仕事ができるか」という仕事そのものへの不安を多くの人が抱いているのに対し、女性は「職場での人間関係がうまくいくか」と、職場環境におけるフィッティングを最大の不安要素として挙げている。
↑ 仕事をするにあたっての不安(2つ以内、企業・官公庁に就職、教職志望の1-4年生対象)
全般的には「人間関係」「仕事をこなせるか」がツートップで、「労働条件」「就職そのものがうまくいくか」「経済面で安定できるか」などがそれに続いている。男女別にみると、冒頭でも触れたが男性は女性と比べ、金銭面での不安を強く抱いているのが分かる。
この傾向は同調査別項目、そして先の別記事でも触れているが、男女別の就職先選定ポイントでも表れており、男女における就職感全体の違いが、あちこちに出ているといえよう。
↑ 就職先選定の際に重視するポイント(3つまで、企業・官公庁に就職、教職志望の1-4年生対象)(再録)
最近では女性が世帯主(一家の中で主な収入を稼ぐ人)になる場合や、独身を貫く女性が増えてきている(【一人暮らしの女性の決断? 男女別単身世帯の分譲マンション比率】)。この傾向がさらに進行すれば、今件で表れた「男女間の就労に対する意識の違い」では男女の差はあまり出なくなるのかもしれない。
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