ソーセージの調理法にこだわりを持つあまり、自分達で焼き器を発明したドイツの人のお話

2010/11/20 19:30

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The Wursttoaster毎日お世話になるものだけに、人の食べ物への執着心は極めて強く、時として通常では発揮しえないようなアイディアと熱意を生み出すことがある。先日【ロイター電】で伝えられた話もその一例で、ドイツの人たちがこだわりを持つソーセージで感じた不満を解消すべくある道具を開発、それがドイツの経済技術省(Germany's Federal Ministry of Economics and Technology)から表彰されたというものだ(【LAWEEKLY】)。



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↑ The Wursttoasterでの調理のようす
↑ The Wursttoasterでの調理のようす

今回のお話の主人公はドイツのMarco Bruns氏(25)とビジネスパートナーにしてエンジニアのFelix Rennies氏(28)。彼らはイギリスへの旅行の際にドイツのニュルンベルグ名物「ブラートブルスト」(bratwurst、豚のひき肉入りソーセージ)を注文したところ、焼き方がまったく「なっていない」ことに気がついた。片方が焦げ、もう片方が焼き目無しと、中途半端な焼き加減だったという。彼らは「正しい焼き方を教示して回るより、正しい焼き方でブラートブルストを焼ける機械を発明した方が手っ取り早い」と考えた。

The Wursttoasterそして完成したのが【The Wursttoaster】。要は「ブラートブルスト・トースター」。最初は普通のトースターに手を加える形を考察していたが、結局うまくいかず、ゼロから設計をしなおしたとのこと。外見は普通の(上にパンが飛び出す、古いタイプの)トースターだが、上にあるのはトースターのパンを入れるような長方形のではなく、丸型の穴。そこに垂直に立てたまま、「ブラートブルスト」を差しこんで焼くのだという。この「ブラートブルスト・トースター」、来年の夏には499ユーロ・680ドルで販売を開始するそうな。

この「ブラートブルスト・トースター」にはFacebookの【ファンページ】も設置されており、そちらではイベント会場での展示の様子などをチェックすることができる。我々日本人から見れば「ソーセージの類にそこまでの熱意は……」と感じるかもしれないが、元々こだわり性でしかも国民食的なソーセージに関すること、他の国でそれがぞんざいに扱われていたことに、何か深く想うところがあったに違いない。

受賞の様子個人的には「わざわざ専用の電気周りで機器を創らなくても、同じ電気なら電子レンジで加熱すればいいじゃないか。お皿の上にキッチンペーパを敷いた上で載せて、上からポリプロピレンのフタを被せるなり、耐熱ガラス製のレンジ調理機を使えばいいのに」と思うのだが、やはりそこはこだわり方の違いがあるのだろう。熱で直接あぶって出来るあの焦げ目に、何物にも代えがたい旨さの秘密が隠されているのかもしれない。

なお「The Wursttoaster」を開発した二人は現在、この「ブラートブルスト・トースター」向けのソーセージの開発にいそしんでいるとのことである(The pair is now designing a brand of sausages to be used with the Wursttoaster.)。


■関連記事:
【ソーセージに命をかけるドイツの人たち、完璧な焼き具合の「ソーセージ焼き器 The Wursttoaster」を開発して国から表彰される】



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