ETFの魅力、リアルタイム売買や価格の把握のしやすさ以上に映えるのは…
2010/11/18 12:00
ブラックロック証券は2010年11月17日、ETF(上場投資信託、Exchange Traded Fund)購入経験者を対象としたETFに関する意識調査結果を発表した。それによると調査母体においては、信託報酬などの割安感に魅力・興味を覚える人が一番多いことが分かった。次いでリアルタイム売買、価格や値動きの把握がしやすいなどが上位を占めている。これらの項目はETFの長所・特徴でもあり、その点が購入者にとっての購入決意のきっかけにもなっていることが分かる(【ブラックロック証券】、該当資料はリリースにて同年11月17日に受領)。
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今調査は2010年2月26日から3月8日にかけてETF購入経験を持つ20-69歳の男女に対しインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。男女比・年齢階層比は未公開。
【がん治療に期待をかけるETF「HealthShares Cancer ETF」とは】や【SBIイー・トレード証券、海外ETFの取り扱い開始・米10銘柄と香港銘柄から】などで解説しているように、Exchange Traded Fundの略で、上場されている投資信託のこと。特定の株価指数などに連動する形で上下するもので、株式と同じように売買が可能。いわば「株式や先物などの指数のパッケージ」を売買するようなものといえばよい。
このETF購入経験者から構成される調査母体に対し、ETFのどのような点に興味関心を持ったかを複数回答で聞いた結果が次のグラフ。「信託報酬(運用報酬等)が割安」がもっとも多くの人の同意を集めている。
↑ ETFのどの点に興味を持ったか(複数回答)
一般の投資信託の信託報酬は年間数%のものがほとんどで、逆にいえば毎年最低でもそれだけの分配金と価額上昇が無ければ、実質的に目減りすることになる(厳密には色々とプラスマイナスがあるが省略)。その信託報酬がETFでは全般的に極めて低く、例えば直近で上場予定の「MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信」の場合、信託報酬は約年0.2625%(税込)となっている(【東証内パンフレット、PDF】)。
第二位の「リアルタイム売買が可能」は、一般の投資信託を売買した経験がある人なら便利さを痛感しているポイント。投資信託の場合は購入にも売却にも(ネット証券経由でも)数日かかる場合が日常茶飯事で、「この場で欲しいと思ったから売買」というスタイルには向いていない。一方でETFは原則、通常株式と同様に売買が可能なので、条件のあった相対取引者がいて競合がいなければ、即時売買が可能となる。これは第三位の「値動き・価格の把握がしやすい」と密接に関わるポイントといえる。
冒頭でも触れているように、その他上位項目にはETFのメリットの中でも特に強調すべき項目が並んでおり、ETFの購入者の多くがその魅力にひき寄せられて売買しているようすがうかがえる。
【東証のETFコーナー】を見ればお分かりの通り、最近では多種多様なETFが続々登場し、取引所のリスク分散という観点を除けば、現物株式だけでなく商品や債券、地域などの複数区分に渡ったリスク分散投資が可能となっている>国内外債券ETF、商品ETF、地域株価指数連動型ETFなどをうまく組み合わせれば、リスク分散型のポートフォリオをETFだけで生成することもできる。
現物株式への投資は銘柄選択が面倒くさい、海外の金融商品は口座を別途開くのが大変だし手数料も高めで、などの悩みを持っている人は、ETFに目を向けてみるのも一興といえよう。
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