テレビニュースやCMで知った・改正貸金業法
2010/11/16 12:05
ネットエイジアは2010年11月11日、改正貸金業法に関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうち、改正貸金業法の完全施行を知っていた人においては、テレビのニュースを介して知った人が最も多く、7割を超えていた。次いでテレビCMで知った人が4割強に達しており、同法の認知にはテレビが大きな役割を果たした事が分かる(【発表リリース】)。
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今調査は2010年10月8日から11日にかけて20歳以上の有職者・専業主婦に対し、携帯電話を使ったインターネット経由の調査方式で行われたもので、有効回答数は2000人。男女比は1対1、年齢階層比は20代313人・30代625人・40代834人・50歳以上228人。
【改正貸金業法で「総量規制」実施、知っている人は65.2%】にもあるように、従来の貸金業法が抜本的に改正された「改正貸金業法」が2010年6月18日に施行。借り手も貸し手も大きくその行動を制限された。その改正貸金業法の完全施行について、知っているか否かを聞いた結果が次のグラフ。何となくも含めると8割強が認知していることになる。
↑ 改正貸金業法が2010年6月18日に完全施行されたことを知っていたか
知らなかった人は2割足らずでしかなく、意外に認知度は高いようだ(もっともどこまで内容を正しく把握しているかは別問題。詳しくは元資料を参照してほしいが、9割以上の認知度を示したのは「総量規制」だけだった)。
この「認知をしている人」たちに、どうやってその情報を入手したのか複数回答で聞いてみたところ、トップは「テレビのニュース」だった。7割強の人がテレビのニュースを見聞きして、改正貸金業法の完全施行のことを知ったと答えている。
↑ 改正貸金業法の完全施行を知った情報の入手元(複数回答)(上位10位のみ)
元々テレビCMでは(一時期自粛されたこともあったが)消費者金融のものが多い。それだけに、改正貸金業法の完全施行に関する言及で視聴者の目に留まる・耳に入ることも少なくないわけだ。また施行前後にはテレビのニュースが繰り返し伝えていたこともあり、これが大きく影響を与えている。
気になるのはインターネット系の媒体が10位の「クレジットカード会社のウェブページ」しか見当たらないこと。インターネット周りでは改正貸金業法の完全施行の公知があまり積極的でなかったのか、ネット利用層は総量規制やローン周りの法律改正について興味が無かったのか……。
「キャッシング周りは(利用者・興味関心が深い人がネットと疎遠状態にあるので)旧来・物理的メディアによる公知の方が有効かもしれない」という仮説を間接的に補完してくれるのが次のグラフ。上記グラフのうち「郵便物やダイレクトメールでの案内」において、借入経験のある無しの区分別で聞いたものだが、借入中の人に対するアプローチが非常に効果的な結果が出ている。
↑ 改正貸金業法が2010年6月18日に完全施行されたことを知っていたか(借入に関する立ち位置別、郵送物やダイレクトメールでの案内について)
現在借入中の人は借入会社からの書類・郵便に大きな注意を払うし、届いた郵便物はくまなくチェックする。だからこそ改正貸金業法の完全施行に関する書類にも目を通し、結果として認識できたと思われる。受け取った本人が自発的・積極的に目を通す媒体を用い、本人が期待するものに近しい情報を提供することで公知を推し進める。巧みな手法であると同時に、程良い効果が出た具体例としてチェックすべきだろう。
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