3年前と比べて「働きがいアップ」は2割、「ダウン」は4割強。ではその理由は?
2010/11/13 12:02
NTTデータ経営研究所は2010年11月8日、働きがいに関する意識調査結果を発表した。それによると調査母体では3年前と比べた働きがいの変化について、「上昇した」とする人は2割強に留まっていることが分かった。一方で「低下した」とする人は4割を超えており、全体としては働きがいが低下する傾向にあることが分かる。具体的な要因としては、上昇理由が仕事の過程における自分自身の立ち位置の確認ができたこと、低下理由が会社の将来性など周辺環境に関することが上位についている(【発表リリース】)。
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今調査は2010年9月8日から10日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1013人。男女比は76.1対23.9。年齢階層比は20代7.6%・30代35.8%・40代37.0%・50歳以上19.5%。
基準を3年前に定め、その時点の自分自身を思い返し、現在の自分は当時と比べて仕事のへのやる気、働きがいはどのように変化しているかを聞いた結果が次のグラフ。冒頭でも触れたが、全体的には「働きがいは低下傾向にある」と判断できる結果が出ている。
↑ 3年前と比べた働きがいの変化
「(強く)高まった」人がわずか4.7%しかいない一方で、「(強く)低くなった」が23.8%もいる、「上昇」のうち強度の強いモノは2割ほどでしかないのに、「低下」では5割を超えるあたり、働きがい・モチベーションの低下の内情、深刻さがうかがえる。
そこで、あらかじめ用意してある「働きがいに関する20項目」の中から、「高まった」派「低下した」派それぞれに対し、自分が感じた働きがいの変化に対する理由を5つまで挙げてもらった結果が次のグラフ。
↑ 働きがいが高まった要因(3年前と比べて働きがいが上がった人対象、当てはまるもの5つまで)
↑ 働きがいが低くなった要因(3年前と比べて働きがいが下がった人対象、当てはまるもの5つまで)
「高まった理由」としては自分が今従事している仕事に対する要因が上位を占めている。特に成し遂げた時に得られる充実感に喜びを覚え、働きがいを感じる様子がうかがえる。一方で「低くなった理由」としては「会社の将来性」がずば抜けて高く、昨今の世情を反映する内容となっている。次点には「達成感を得られない」がついており、現在の仕事に不満を覚えている、自分が携わる意味を見いだせないようすが透けて見える(「力の発揮」などもしかり)。
元資料によると働きがいが薄いグループは企業への帰属意識が低く、転職志向が強い傾向を見せている。帰属意識が低いから働きがいが低いのか、働きがいが無いから帰属意識が低いのか、つまりどちらが主に先になるのかは、今調査からだけでは分からない。しかしいずれにしても、企業側にしてみればゆゆしき問題であることに違いは無い。
働きがいを高める要因、下げる原因それぞれを精査し、改善できる点には可能な限り手を加えていくことが企業・雇用側には求められよう。それが中長期的には企業自身にも「優秀でモチベーションの高い人材の確保」というプラスにつながるのだから。
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