働きがいアップな要素は「仕事への実感」、では邪魔する要素は?
2010/11/10 19:30
NTTデータ経営研究所は2010年11月8日、働きがいに関する意識調査結果を発表した。それによると調査母体のうち働きがいを感じている人においては、「価値実感」「成長実感」「力の発揮」など、仕事と自分自身との関わり合いの部分がプラスに働いている傾向があることが分かった。一方で働きがいを感じていない人における、働きがいを邪魔する要因としては、「社内でのキャリアイメージ」「創造的な仕事への環境作り」など会社内部の環境項目に多くの人が同意を示している(【発表リリース】)。
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今調査は2010年9月8日から10日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1013人。男女比は76.1対23.9。年齢階層比は20代7.6%・30代35.8%・40代37.0%・50歳以上19.5%。
調査母体に対し、現在働きがいを感じているか否かを聞いたところ、重みはともあれ感じている人は52.4%、感じていない人は47.6%となり、ほぼ半数の人が「働きがいを感じている」と答えた。そこで両グループに対して「働きがいに関する20の質問項目」を用意し、個々の項目における肯定意見・否定意見を集計したのが今回の結果部分。
まず「働きがいを感じている」グループに対し、肯定意見の多い順にリストアップしたのが次のグラフ。要は「働きがいを感じている人たちは、特にこの数字の高い項目に働きがいを覚えている」ということになる。
↑ 働きがいを高める要因(働きがいを感じている人)
上位項目は「価値実感」「成長実感」「達成感」「適応感」などの「仕事を成し遂げたことに対する実感」。そして「力の発揮」もあわせ、仕事そのものの充実と、それに自分自身が関わることで自分の存在価値を再確認できる項目が上位についている。これらの要素が、働きがいを高める大きな要因と見てよい。
一方、「働きがいを感じていない」グループに対し、否定意見の多い順にリストアップしたのが次のグラフ。要は「働きがいを感じていない人たちは、特にこの数字の高い項目に働きがいを阻害されると実感している」ことになる。
↑ 働きがいを特に阻害する要因(働きがいを感じていない人)
トップは「社内での将来のキャリアイメージが描けない」、つまり働いて自分に何か蓄積できるのか、それが具体的に想像できないということ。次点も似たようなもので「会社では創造的な仕事を促す環境作りが無い」。「達成感を覚えない」を別にすれば、上位には直接自らが関わっている仕事自身よりも、会社の制度や環境などが働きがいを「削り取っている」のが見て取れる。
【やる気を回復させる4つのポイント】などでも解説しているが、達成感は「やる気」を与えてくれる。これが蓄積されれば、働きがいも当然向上する。何かを成し遂げ、プラスになったことを味わえる仕組みは、ちょっとしたことで創り出せる。従業員がネジや歯車では無く、一人の人間であり、社内の重要な構成要素であることを本人が把握できるような仕組みを、企業側は環境として整備提供することを心がけるべきだろう。
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