一人暮らしの女性の決断か…男女別単身世帯の分譲マンション比率(最新)
2025/03/23 02:44


スポンサードリンク
今調査の調査要綱は先行記事【住宅の空き家率は13.8%で過去最高に(最新)】を参照のこと。
「住宅・土地統計調査」の公開値を基に再計算を行い、単身世帯における居住スタイルに関して、共同住宅か一戸建てかの細分化をした結果が次のグラフ。持家は一戸建てが、借家は共同住宅がメインであることが分かる。前者は個別の建売一戸建て住宅、後者はマンションやアパートをイメージすれば容易に理解できよう。

↑ 住宅の建て方別住宅の所有関係(単身世帯、年齢不詳者・住宅関係不詳者・持家や借家以外を除いて計算、年齢階層別)(2023年)
「持家・共同住宅」「借家・一戸建て」も単身世帯の居住スタイルとしている人の存在は確認はできるが、あくまでも少数派。また、「持家・共同住宅」が60-64歳までゆるやかに増加しているのも見て取れる。
そこでこの部分について、男女別に確認をしたのが次以降のグラフ。まずは男女別に区分した上でグラフを再作成する。

↑ 住宅の建て方別住宅の所有関係(単身世帯、男性、年齢不詳者・住宅関係不詳者・持家や借家以外を除いて計算、年齢階層別)(2023年)

↑ 住宅の建て方別住宅の所有関係(単身世帯、女性、年齢不詳者・住宅関係不詳者・持家や借家以外を除いて計算、年齢階層別)(2023年)
グラフの大まかな形状は男女であまり違いは無いが、あきらかに「持家・共同住宅」の値が女性では中年層で大きくなっているのが分かる。そこで「持家・共同住宅」の値のみを抽出して男女の違いが分かりやすいように作成したのが次のグラフ。

↑ 住宅の建て方別住宅の所有関係(単身世帯、年齢不詳者・住宅関係不詳者・持家や借家以外を除いて計算、持家・共同住宅、男女別・年齢階層別)(2023年)
明らかな差異が確認できる。35-39歳から男女で差が大きくなり、その動きは50-59歳まで続く。60-64歳以降では男女の差は縮まっていくが、女性の方が比率が高いことに違いはない。
単身世帯の女性の居住スタイルとして「持家・共同住宅」が多い理由はいくつか考えられる。【自分の歳で結婚している人は何%? 結婚状況の実情(最新)】でも解説したように、男性よりも女性の方が一般的には長生きするため、夫と死別し、一人妻が自宅に残されるケース。女性の働き盛りの独身率が上昇しており、これに伴い「自分の城」として分譲マンションを買う事例が増えている結果。これを「おひとりさま」と称することもあるそうだが、新築・中古を問わず30-40代で半ば結婚をあきらめ、生涯の根城として家・マンションを買う事例が増えているとの話もある。さらに防犯上の都合から、女性が一人で住む場所として一戸建ては不安が大きく、消去法として共同住宅を選択せざるを得ないとの理由もある。
一人暮らしで生涯の根城を手に入れたいとの思いは男女とも変わらないはずであるが、女性の方が「持家・共同住宅」を選択した上でその願いをかなえる傾向が強いようだ。
今後はこの「分譲マンションに根城を構えた、おひとりさまな女性」に向けた、あるいはそれに憧れる女性へのビジネス的アプローチも本格的なものとなるかもしれない。
■関連記事:
【住宅の空き家率は13.8%で過去最高に(最新)】
【「持家無し」の人の間に広まる「マイホームはいらない」傾向(最新)】
スポンサードリンク
