子供のシグナルと親がやるべきこと……オンラインギャンブルから子供を守るために
2010/10/31 18:00
先に【170万人が少なくとも月一で利用…米大学生の間でオンラインギャンブル利用者が急増】でアメリカにおいて中高生のオンラインギャンブル利用度が急増し、問題視されているという話をお伝えした。日本では賭博行為は禁止されており、競馬をはじめとした例外的に認められている公益ギャンブルでも、未成年者の利用は固く禁じられている。日本がそのような環境下である以上、あまり必要性は無いかもしれないが、保護者の立場にある人は知っておき、注意しておいた方が良いということで、今回は2つほど「子供とオンラインギャンブル」に関することを列挙しておこう。
スポンサードリンク
まずは先の記事でThe American Academy of Pediatrics(アメリカ小児科学会、小児科学分野の学会、AAP)が「子供がオンラインギャンブルにはまっているかもしれない傾向」として挙げているもの(【How can I tell if my son or daughter is having a problem with gambling?】)。もう一つ「これならやっても大丈夫」については、日本と法令が異なるのでここでは省略しておく。
・カジノのチップをはじめとした、ギャンブル周りの小道具を持っているのを見つける
・テレビなどで放送されているプロスポーツの結果だけに異様なまでに関心を持つ
・未成年者にも関わらずカジノをはじめとした賭けごとの場所に足を運ぶ
・インターネットへのアクセス頻度があまりにも多すぎたり、利用時間が長い
・原因不明の債務を抱えている
・持ちえないはずの大金を持っていたり、買えそうにもない高額の商品を持っている(あり得ないほど金回りが良い)
・学校やアルバイトを理由も説明せずに休んでいる
・原因不明の不安や緊張を感じているように見える
・(ギャンブルに使うために)お金を盗む
日本では「カジノ」そのものがまず社会生活の領域では見当たらないので、「カジノ」周りの部分を他の公営ギャンブル、例えば競馬や競輪に置き換えると良い。一番上なら「競馬や競輪の投票シートが見つかる」などだ。むしろ債務や高額商品のようなお金周りについて、確認した方が良い。
続いて保護者が出来ること。こちらは【マイクロソフトが提供している、インターネットと親子の付き合い方に関するまとめの一つ】。今回は一部日本の法令にあわせ修正を施しておいた。
2.プレイできるオンラインゲームについて明確なルールを作り、インターネットに接続できるコンピュータは、子供部屋ではなく目の届く場所に置く
3.オンライン ギャンブルは違法なものであることを、子供にしっかりと理解させる
4.Windows Live ファミリー セーフティや Windows Vista オペレーティング システムに組み込まれた保護者による制限といった、保護者による制限機能の利用を検討する
……実は参照ページは日本語訳化されてはいるものの、原文の英語をそのまま翻訳しただけのようで、海外仕様のまま日本語化されている。日本の法令に合わない部分をカットしたら、約半分にまで削れてしまった次第。
AAPでは保護者に向けて「子供は親の真似をするものだから、まず親が子供の良い例とならねばならない(保護者もギャンブルは極力するな)」「子供とよく話し合い、言い聞かせること」「ギャンブルは依存症のようなものだから、万一子供がかかってしまったら小児科医などの専門医の扉を容赦なく叩くように」と訴えている。この件もあわせ、先日【子供がインターネットの世界へチャレンジする際に守らせたい11の決まりごと】で解説した「子供に対するインターネット全体への注意事項」と大きな違いが無い事に気がつくはずだ。
特にギャンブルの違法性、リスクのことを教え解くことは非常に重要な事柄。保護者自身は知っていても、子供は知るはずもない。教えてもらってはじめて、してはいけないことと認識できる。保護者自身のモノサシをそのまま子供も持ち合わせていると思わないよう、くれぐれもご注意あれ。
スポンサードリンク