電子書籍利用者約25%、そのうち7割強は「今後紙の本を主に利用したい」

2010/10/30 12:00

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読書iMiリサーチバンクは2010年10月27日、読書に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、電子書籍を利用したことがある人は約1/4に留まっていたことが分かった。利用した端末としてはパソコンが最も多く、次いでノーマルの携帯電話が続いている。電子書籍利用者の今後の利用意向としては、「紙の本を主に利用したい」とする人が3/4近くを占めており、少なくとも現状では電子書籍が紙の本にとって代わることは無いように見える(【発表リリース】)。



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今調査は2010年10月16日から21日にかけてインターネット経由で10代から60代の男女に対して行われたもので、有効回答数は1200人。男女比、10歳区切りの年齢階層区分で均等割り当て。

【日本語フォントに正式…対応米アマゾンで電子書籍リーダー・キンドルの新型登場。139ドルの廉価版も】でも紹介したアマゾンの電子書籍リーダー・キンドルの大流行により、日本国内ではそれに加えてタブレットパソコンiPadの躍進ぶりによって、電子書籍が大いに注目されるようになった。提供フォーマットや権利問題など、「日本国内で」超えねばならないハードルは複数存在するが、足踏みしている余裕など無いのもまた事実。

今調査母体で電子書籍の利用経験を尋ねたところ、有料での利用経験者は5.9%に留まり、大部分が無料利用者だった。そして利用経験者全体としては23.7%。

↑ 電子書籍を利用したことがあるか
↑ 電子書籍を利用したことがあるか

今件がインターネット経由のものであり、世間一般の場合はもう少し値引く必要があることを考えると、まだまだ浸透には程遠い感がある。

電子書籍利用経験者に、どの端末で利用したのかを聞いた回答が次のグラフ。元々電子書籍はパソコンでの提供が先行していたこともあり、パソコンでの利用が圧倒的。次いでスマートフォンで無い携帯電話が続いている。

↑ 電子書籍をどの端末で使用したことがあるか(複数回答、利用経験者限定)
↑ 電子書籍をどの端末で使用したことがあるか(複数回答、利用経験者限定)

直上で触れたiPadやキンドル、そしてそれらと同様に電子書籍普及の流れを創ったスマートフォン達だが、利用率はまだ低い。今件がパソコンによるインターネット経由での調査ということも一因だが、端末そのものの普及率がまだ足りないのが、利用率の低迷につながっていると考えてよい。特に「アマゾン・キンドル」は日本でまだ(日本語サイトでは)正式発売されておらず、むしろ1.4%も存在する方が驚きといえる。

普及率が低く、提供フォーマットもばらばらで、新刊などの対応も合わせ提供数そのものがまだ少ないこともあるせいか、電子書籍利用者においても「現時点での」今後の利用性向は「紙の本」が主体という結果が出ている。

↑ 今後、紙と電子、どちらの書籍を
↑ 今後、紙と電子、どちらの書籍を"主に"利用したいか(電子書籍利用者限定)

「電子書籍をメインにしたい」という人はわずかに6.0%。【電子書籍の「自炊」って何だろう】でも紹介した、いわゆる「自炊」(自分自身で紙の本を電子書籍化すること)が出来る人はごくわずかでしかなく、本全般の電子書籍対応度の現状を考えれば、「紙の本」がメインとなるのは仕方が無い。



今後各出版社、そして業界全体の環境が整備されると共に、電子書籍の利用者が増えていくだろう。その流れを加速化させるのが、スマートフォン、iPadをはじめとしたタブレットパソコンの浸透、そしてアマゾン・キンドルの日本版の展開といえる。今後数年でこれらの端末自身、そしてそれに後押しされる形で電子書籍周りの状況は大きく様変わりするに違いない。



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