中小企業を受けない理由は「安定性」「知名度」「福利厚生」

2010/10/26 12:00

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安定就職情報会社のディスコは2010年10月22日、2011年3月卒業予定の大学生における就職活動状況の調査結果を発表した。それによると調査母体においては、中小企業(従業員300人未満)への求職をした人は約半数に留まっていることが分かった。しなかった人の理由としては「安定性に欠ける」「知名度が低い」が特に多く、半数近くを占めている。



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今調査は2010年10月1日-11日にかけて2011年3月卒業予定の大学生に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は923人。回答者区分は文系男子313人、文系女子244人、理系男子269人、理系女子97人。

同調査母体では10月1日時点で内定率は国公立84.0%・私立70.1%。理系女子以外は去年よりもさらに厳しい値が出ている。彼ら・彼女らに対し、従業員300人未満のいわゆる中小企業に対して求職経験があるか否かを聞いたところ、ある人は52.1%と半数強に留まった。そこで中小企業に対して求職しなかった残り47.9%にその理由を聞いた結果が次のグラフ。トップ2は「安定性に欠ける」「知名度が低い」だった。

↑ 中小企業を受けていない理由(上位十位、複数回答)
↑ 中小企業を受けていない理由(上位十位、複数回答)

不景気の中、企業が破たんするニュースが毎日のように情報として伝わる環境下で、安定性を求めるのは当然の話。自分一人ではどうにもならない企業全体の「足腰」のことを考え、敬遠するのも仕方ない感はある。「知名度」は一見「見栄っ張り」のように見え、実際その考えで理由に挙げている人も多いのだろうが、知名度が低いことで契約の機会を逃すなど企業そのもののデメリットも少なくなく、それが業績を左右する遠因と考えれば、これもまた賢明な話(「競争力が弱い」にも連動する)。また企業規模の関係で福利厚生や待遇が大企業と比べて今一つなど、仕方がない部分も(もちろん例外もある)。

一方、求職した人たちによる、受けた理由はこちら。「やりたい仕事に就ける」がトップで、「独自の強みがある」がそれに続く。

↑ 中小企業を受けた理由(上位十位、複数回答)
↑ 中小企業を受けた理由(上位十位、複数回答)

概して「自分自身の小回りが利く」「家族的な温かみがある」など、数字に表れない・表れにくい、そして「受けていない理由」とは違った視点から企業を見た時のポイントが上位についているの分かる。

中小企業を受けた理由を持ち、受けない理由を克服した、そのような都合のよい企業があれば良いたのが(安定性に富み、知名度が高く、福利厚生や給与待遇が良く、やりたい仕事に就け、独自の強みがあり、会社の雰囲気が良いなど)、そのような企業はまず滅多にお目にかかれない。現実にはいずれかを妥協しなければならず、その「妥協出来ない点」がそれぞれに現れていると見てよいだろう。



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