歯医者が好きになれるかもしれないポスター

2010/10/27 19:30

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セメント塗り塗りしばしば治療の対象となる体の部位の中でも「歯」は、「痛み」を「痛み」として感じさせる根幹となる「脳」に一番近い部位。そのためか、「歯」への刺激が痛覚の中では一番強烈なものだという説がある。痛みの強弱を図るバロメーターが無いためそれが事実か否かは確かめようがないが、特に子供にとって歯の痛み、具体的には虫歯の痛みとそれを治すための歯医者での治療時の痛みは、一生忘れられないほどの苦痛に違いない。また、ホワイトニングやクリーニングなどの歯の治療も、具体的にどのようなものかイメージしにくい場合も少なくない。アメリカのフロリダ州にある歯医者Family Dentistry & Denturesでは、自分達の治療がどのようなものかを概念的に知ってもらうと共に、歯医者と歯の治療そのものを少しでも理解してもらうため、いくつかのポスターを用意した。今回紹介するのは、そのポスターたちである(I believe in Advertising)。



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↑ 義歯(入れ歯)
↑ 義歯(入れ歯)

現場監督とセメント塗り中央に見える、フランスの凱旋門のような形をしたものは「歯」の下半分。歯の下のセメント質部分がそのまま門のような形になっている。そしてその周囲には作業用の足場が張り巡らされ、下には現場監督のような人がハンドマイク片手に指示を出している。足場には作業員の一人が歯にセメント(?)を塗っているし、上の部分ではクレーン車の助けを借りて骨組みを創り上げている。

これは入れ歯(義歯)を創っている状況を建設現場に例えてビジュアル化したもの。実際に義歯を創る時にはクレーン車は使わないし、小人さんが歯の造型を手助けするわけでもない。だが義歯が人造形成物であること、細かな作業によってていねいに作られていることが、頭の中にイメージされる。元々建設をしている様子を好む子供が見たら、きっと胸を弾ませるに違いない。

Family Dentistry & Denturesでは他に「クリーニング」と「ホワイトニング」のポスターも展開している。


↑ クリーニング(上)とホワイトニング(下)(中央部分のみ抽出)
↑ クリーニング(上)とホワイトニング(下)(中央部分のみ抽出)

「クリーニング」は表面やすき間に入り込んだ歯石を取り除いて研磨洗浄し、きれいにすること。一方「ホワイトニング」とは歯についた色素を落とすなどして歯を白くするもの。似ているようだが治療内容はまったく別物。

「クリーニング」のポスターでは実際には歯科医が使うジェットポリッシャー(水流に細かい粉を入れて歯に吹き付けることで汚れを吹き飛ばすもの)を模して、自動車清掃用の高圧洗浄機を使って大きな歯をきれいにしているのが分かる。一方「ホワイトニング」では、ホワイトニングの手法の一つである「ホワイトニング剤を表面に塗る」のをイメージするかのように、本当に白いペンキを塗って歯を白くしようとしている。

子供向けの科学関係の解説書では、人体内のさまざまな活動をまるで工場の流れ作業のようにビジュアル化し、概念的に分かりやすく、そして楽しくものがある。今回の歯の治療を示す3種類のポスターはまさにそれを絵ではなくセットで表現したもの。歯の治療を受ける際にも、彼らの働きぶりを思い返せば、痛みも少しは和らぐし、歯医者そのものへの親近感もわくに違いない。

……よく考えてみると、「虫歯の治療」のポスターが無いのが気になるが。



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