情報家電やエンタメを良く読み、書き込むのは…? 北米女性のオンラインレビュー利用性向を探る
2010/10/26 06:54
商品購入を検討する時にはネット上で情報検索をし、他人の購入レポートなどのレビューに目を通すことはよくある話。また、自分の体験談・利用経験をレビューの形で掲示板やブログ、ソーシャルメディアに書き込むことも、誰もが一度や二度ならず、した覚えがあるはず。それではどの商品でレビューがよく検索されて目を通され、書き込まれる傾向があるのか……2010年10月6日に発表された北米民間調査機関HarbingerのレポートBreakthrough study by Harbinger:New dynamics of word-of-mouth/social media among womenでは、北米のインターネットを利用する女性における、商品区分別のオンラインレビューの読み書き頻度に関するデータも記載されていた。今回はこれを集計した上でグラフ化を試みることにする。
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今調査は2010年の春に2134人のアメリカ・カナダの女性に対してインターネット経由で行われたもの。14の商品区分について、「情報を検索して該当商品のレビューを読む人」「商品の利用経験などに関するレビューを書く人」それそれの中で、個々の商品区分で該当する行動を行うか否かを尋ねている。それを一つにまとめたのが次のグラフ。例えば自動車は「読む……41%」「書く……6%」となっているが、調査母体のうち「商品のレビューを読む人のうち41%は”自動車の”レビューを読む」「商品のレビューを書く人のうち6%は”自動車の”レビューを書く」という次第。
↑ 商品区分別オンラインレビューを読むか・書くか(それぞれオンラインレビュー全体を読む人・書く人対象)
全体的に「読む人」より「書く」人が少ないのは、読み手は多くても書き手は少ないネットコミュニティの常を表している。また「レビューを読む」場合は、その結果起き得る購入行動の主役が自分なのに対し、「レビューを書く」場合は自分自身以外の誰か他人になるため。モチベーションが低くなるから、というのも原因として考えられる。
さらに「他人に教えられる、レビューを書くほどの執筆スキルは無い(良いことは分かるが、どうすれば他人にその良さをうまく伝えられるのか分からない)」「買って使ったら満足して、その利用に熱心になり、他人に教える注力を割くのがもったいない」などの理由も考えられる。読書好きな人すべてが文章を書くのも得意・好きというわけではないのである。
「読む」「書く」の区分で見ると、レビューが良く読まれるのは「情報家電」「家電」「エンタメ」「レストラン」など。この4項目は過半数に達している。比較的身近な商品で単価もそれなりに高い。そして上位二位は対象商品の利用期間も長めで、慎重に情報を探しているようすがうかがえる(「ハズレ」商品に手を出し、長期間短所に頭を痛めることは避けたいわけだ)。
他方「書く」方では「レストラン」「旅行」「情報家電」の3項目が20%を超えている。趣味の色合いが強く、自分の好き嫌いをはっきりと表現できるのが、レビューが良く書かれる要因だろうか。「良く書かれる」という点では他に「コスメ」「食品・飲料」「衣料」など、写真を掲載しやすいのも数字が高めなのが確認できる。一方で「家具」「自動車」は説明するための専門知識の展開が難しく、どこが良かったのか悪かったのかが説明しにくいこともあってか、レビューを書く人は少なめとなっている。
最近では携帯電話やスマートフォンなどで、画像はもちろん動画も気軽に撮影できるようになり、そのデータをブログや共有サイトにアップロードして披露することが可能となった。新商品が発売された後にYouTubeでその商品名を検索すると、大抵はその商品を買った人の動画レポートを見つけることができる(デジタル系は特に多い)。情報共有のスタイルが変わり、ハードルが低くなったことを実感できる。
今件は北米の女性、そしてレビューを読む・書くについてのデータだが、日本でも商品レビューに関する動向に大きな違いはないだろう。また今後はレビューを「観る」「撮る」のスタイルも浸透していくに違いない。
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