北米女性は「良い経験」を他人に教えたくなる…商品情報の検索と共有傾向
2010/10/24 07:24
【化粧品 参考にするその意見 「ネットの口コミ」「ポップ」「CM」】や【口コミマーケティングの裏づけか「7割近い人が口コミを参考」「情報源は友人」】などにもあるように、インターネット上の買物においては、特に女性はネット上の口コミを重要視する傾向がある。ネットコミュニティ形成が進んでいるアメリカでは特に顕著で、商品レビューのブログやサイトは人気が高い。先日【eMarketer】が披露した調査機関HarbingerのレポートBreakthrough study by Harbinger:New dynamics of word-of-mouth/social media among womenの詳細データでは、商品情報の検索と共有について興味深い動向が記されていた。今回はそれをかいつまんで紹介することにしよう。
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今調査は2010年の春に2134人のアメリカ・カナダの女性に対してインターネット経由で行われたもの。記事内ではインターネット上で特定の商品区分について「情報を探す理由」「共有する理由」のベスト5を列挙している。ただし数字の詳細が公開されていたのは「食品・飲料」「家電(いわゆる白物家電)」の2項目についてのみ。
まずは「食品・飲料」。購入頻度が高く、行きつけの場所で購入することが多いせいか、改めて情報を探す割合はあまり高くない。何か特定のもの(恐らくはたまに食する高価なものや、クリスマスケーキなどイベントアイテムの類だろう)に対し「一番なのか」を探す傾向が強い。
↑ 北米の女性ネット利用者が情報を探す5つの理由(食品・飲料分野について)(2010年春)
↑ 北米の女性ネット利用者が情報を共有する5つの理由(食品・飲料分野について)(2010年春)
一方で他の人に情報を提供したい、自分と情報を共有したいという意図は強い。美味しいものを口にしたら、他の人にも味わってもらいたいという想いが強く沸き上がるのは、誰でも何度となく経験したことがあるはずだ。
しかも「共有したい」という想いは、ネガティブなものよりもポジティブなものの方が強い。これは【商品レビュー、「愚痴」と「賛美」どちらを書くことが多い?】で触れているが、北米・欧州のネット上の口コミで共有してみられる傾向のようだ。
白物家電では全般的に飲食品よりも情報収集意欲が高く、また、家族の便益よりも品質そのものの情報を積極的に求める傾向が強い。これは購入単価が高いこと(=失敗した時のダメージが大きい)、一度購入したら長期間同じものを使い倒す傾向があることなどを考えれば、納得もいく。第三位に「商品仕様」が入っているのも、性能上のこだわりがあるから。例えば騒音のひどい冷蔵庫や、フィルタ掃除を頻繁にしなければならないエアコンなど、ヘマをしてハズレを引かされ、長期間後悔を引きずるのは勘弁こうむりたいというわけだ。
↑ 北米の女性ネット利用者が情報を探す5つの理由(家電分野について)(2010年春)
↑ 北米の女性ネット利用者が情報を共有する5つの理由(家電分野について)(2010年春)
情報共有意識も食品や飲料より高く、やはり良い経験を共有したいという想いが強い。良い買物をした時の嬉しさは大きいし、失敗した時の悔しさもひとしおだと考えれば納得もいく。
Harbingerの元データには具体的な数字は挙げられていないものの、他の項目でも情報を探す・共有する理由のベスト5が列挙されている。それらに目を通すと、いずれも「良い経験を共有したい」という人が「悪い経験を共有したい」という人より多いのが確認できる。その国・地域の社会文化的な特性、インターネットコミュニティの形成過程で生み出された地域別特徴の違いからくる部分もあるのだろうが、【商品レビュー、「愚痴」と「賛美」どちらを書くことが多い?】のデータを改めて確認できる内容といえよう。
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