Facebookが圧倒的か・米若年層のソーシャルメディア利用傾向
2010/10/22 07:08
先に【10年間で新聞は1/3以下、ラジオは45%減…アメリカの子供達の朝のライフスタイルの変化をかいま見る】でも触れたように、アメリカの調査機関Edison Researchは2010年9月29日、アメリカの子供(-若年層)のメディア周りの習慣の10年間における変化を調べた【Radio's Future 2:The 2010 American Youth(PDF)】を発表した。そこには現在のアメリカの子供達の、デジタル社会とのつながりをかいま見られるデータが豊富に盛り込まれている。今回はその中から、主要ソーシャルメディアの利用傾向についてグラフ化してみることにした。
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直近の調査は2010年9月8日から13日にかけてインターネット経由で行われたもので、12-24歳のアメリカ国内の男女を対象としている。男女比・年齢階層比は同年齢層におけるアメリカ全体の比率と同じように区分され、有効回答数は875人。また統計データ内で参考事例として22-34歳のデータがある場合は888人を対象としている。
主要ソーシャルメディアとしてMySpace、Facebook、Twitter(ツイッター)を挙げ、それぞれについて現在どのような利用状況なのかを聞いた結果が次のグラフ。現在何らかの形で利用している人は、MySpaceが30%・Facebookは74%・Twitterは12%という結果になっている。
↑ 主要ソーシャルメディア利用状況(2010年、12-24歳、アメリカ)
Facebookの利用性向が圧倒的なのは半ば予想された結果とはいえ、興味がそそられるのがMySpaceの状況。「登録したけど使ってない」「登録したけど消した」、要は「周囲が騒いでいるから登録してみたけど、結局手つかず(で止めちゃった)」という人が35%にも達している。また、Twitterは61%が「知ってるけど手つかず」、16%は「よく理解していない・分からない」と、多くの若年層にとっては未体験ゾーン的な存在であることが分かる。
さらに、それぞれのソーシャルメディア利用者に対し、この1年間で利用時間がどのように変化したかを聞いた結果を見ると、それぞれのソーシャルメディアの動向がさらによく分かる。
↑ 1年前と比べて利用時間は?(各ソーシャルメディアを使っている人)(2010年、12-24歳、アメリカ)
それぞれ一言で表現すれば「MySpace:過疎化進行」「Facebook:ますます過密化」「Twitter:やや減退」というところか。ソーシャルメディアは多分に、自分の知り合いが多ければ多いほど利用しやすくなり、時間を割きたくなるもの(同じ内容のネットワークゲームなら、誰も知り合いがいない閑散とした状態のものより、知り合いが多数いて、総参加人数が多いゲームでプレイを楽しむのは当然の流れ)。
全体としての利用性向と掛け合わせれば、今後さらにMySpace離れ・Facebookの過密化が進む感はある。Twitterに関しては既存利用者はやや離れる傾向を見せているが、なにぶんにも「未体験者」が多数に及ぶため、今後どのような動向を見せるかは未知数というところか。
日本においてはMySpaceはほとんど見知らぬ存在状態、Twitterは知名度こそ高くなったが利用度は今一つ、Facebookは名前は浸透しつつあるが利用度は「これから頑張りましょう」というところ。若年層に限っても、今件のアメリカのデータとは大きな違いを見せていることが容易に想像できる(ほとんど灰色系統だろう)。今後どのような動きを見せるのか、逆に楽しみでもある。
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