10年間で新聞は1/3以下、ラジオは45%減…アメリカの子供達の朝のライフスタイルの変化をかいま見る
2010/10/19 19:30
様々なメディアの動向やマーケティングの現状をレポートするアメリカのサイトeMarketerで先日、興味深い話が掲載されていた。調査機関Edison Researchによる、アメリカの子供のメディア周りの習慣の10年間における変化を調べた【Radio's Future 2:The 2010 American Youth(PDF)】の抜粋データなのだが、インターネットの普及が旧来メディア、特に新聞やラジオに大きな影響を与えたか、そして以前【モバイルに焦点を当てたFacebookの各種データ】でも触れた「Pandora」(楽曲の特徴をインデックス化して聴き手の好みに応じて曲を流す「自分だけのラジオ放送局」もどきを提供してくれるサービス)が広く普及しているかを示すものだった。「Pandora」の件はいずれ改めてお伝えするとして、今回は2つほどグラフを抽出し、アメリカの子供達のメディアを巡るライフスタイルの変化について、その概要を眺めてみることにする(【Radio’s Loss Is Pandora’s Gain】)。
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直近の調査は2010年9月8日から13日にかけてインターネット経由で行われたもので、12-24歳のアメリカ国内の男女を対象としている。男女比・年齢階層比はアメリカ全体の比率と同じように区分され、有効回答数は875人。また統計データ内で参考事例として22-34歳のデータがある場合は888人を対象としている。
まずはこの10年間でアメリカの若年層の早朝におけるライフスタイルの変化が分かる結果。新聞を読む人はめっきり減り、ラジオを聴く人も半分近くにまで減少。その分インターネットを利用する人がグンと増えている。
↑ 平日の朝にメディア周りですること(アメリカ・12-24歳)
意外なのはテレビ視聴率がやや伸びを見せていること。新聞の激しい減退を含め、以前【新聞が最下位へ・アメリカ人が利用する主要なニュースメディア推移】で伝えた「大人のニュース取得ツール」の結果とほぼ動向が一致しており、子供も大人も接触メディアが大きく変化していることをうかがわせる。
もう一つは、1日のうちどれくらいの時間を各メディアの利用に費やすか。やはりテレビが少々増加、インターネットが大きく増え、ラジオが激減している。
↑ 調査時点の過去24時間、何にどれぐらい時間を費やしたか(アメリカ・12-24歳)
対象が若年層だったこともあり、元々新聞を読む時間は少なかったものの、それがますます減少。やや意外なのは友達との電話を使ったおしゃべりの時間も減っていること。テキストメッセンジャーやソーシャルメディア経由でコミュニケーションを図っていることが、「直のお話」の時間を減らしているのかもしれない。
新しいメディアの普及によって、情報取得やコミュニケーションのためのツールの使用の有無・利用時間は変化を遂げる。今回のデータはアメリカの子供を対象としたものだが、大人においても、そしてアメリカに限らずとも大きな違いはないだろう。
なお今回データ元となった「Radio's Future 2:The 2010 American Youth」には、今件以外にも興味をそそられるデータが多数掲載されている。機会があればかいつまんで紹介したい。
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